SAO編−白百合の刃−
SAO7-ビーストテイマー・シリカ
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ったということだ。そんなことは普通ならあり得ない。でも、私はその目で実際に、主である少女を守った。それは、使い魔と主で成り立つ『ビーストテイマー』だけの関係ではない。それこそ、種族を超えた、人とAIの友情があった。
「お願いだよ……あたしを独りにしないでよ……ピナ……」
使い魔という友達を失った、主は嗚咽に漏らしながら、言葉を絞り出した。
私が、もっといち早く駆けつけていれば、気を取られなかったら、彼女の“友達”を救えたはずなのに……。バカだ。なんてバカなんだ、私は。もう、“あの時”のような後悔はしたくないのに。
でも、それも私のせいだと背負っておこう。もう、過去には戻れない。辛いことだろうけど、前を向いて歩かないといけない。私が生きている限り、この想いを抱き続けよう。
「ごめんなさい。貴女の友達を救えなくて……ごめんなさい」
私は彼女に謝ることしかできなかった。友達を失った原因は私でもある
友達を救えなかった私の謝罪を告げると、彼女は必死に涙を収め、首を振って返した。
「……いいえ……あたしが……バカだったんです。ありがとうございます……助けてくれて……」
嗚咽を堪えながら彼女はそれだけを口にした。
友達を失った気持ち、私はその気持ちを知っている。きっと彼女は自分のした選択に後悔をしている。その選択で、何かが失った時の後悔は何よりも痛く耐えられないものなんだから。嗚咽を堪えようとしても、我慢しないで泣きたいくらい後悔していると思う気がする。しかし、時は残酷なものだ。いつまでも悲しんでいらない。押し込めて、引きずったり、壁を越えたりして、前に進まないといけない。私のせいだし、償うことはできない。そして彼女自身は辛いことだろうとは思うけど、彼女は生きている。それだけでも生きる理由はなっているから、どうか前に進んでほしいと願いたいものである。
彼女だけでも安全な場所へ移動させて、少しだけ傍にいよう。隣に人がいるだけでも、きっと少しは楽になると思うはず。その後で、一人になってたくさん泣けばいい。
「あれ……?」
疑問に感じたのは、帰路を探そうとした瞬間だった。一枚だけど、水色の羽根が残っていた。
フェザーリドラの羽根だけを残すなんて…………なんか、引っかかる。普通なら、跡形もなく消滅するはずだ。なら、羽が一枚残っている理由は……。
なんか、そのような話を昨日、兄とメールでやり取りしていたはず。思い出せそうにもないから、受信ボックスを見て確認しよう。
ついでに、『ビーストテイマー』の少女にも訊きたいことが見つかったしね。
「あの」
「あ、はい。なんでしょう……」
「その……その羽根は、アイテム名とか設定されているのかな?」
「えっ……」
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