SAO編−白百合の刃−
SAO7-ビーストテイマー・シリカ
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返し、今日は彼女と久々に会うことにしよう。
私の数少ない……友達にね。
●
それはまだ最前線が五十五層の時のこと、私は三十五層の北部に広大な森林地帯、通称『迷い森』へ来ていた。
攻略組のソロプレイヤーである私は、最前線に出て、一層ずつ攻略しなければならない。じゃないと、いつまで経っても現実世界に帰れないから地道な道でも登らないといけないことはわかっている。でも、私は下層に来ている理由としては、ある“依頼”と素材を入手するためにやって来ているので、怒っている人がいたら許してほしいなーなんてね。
夕方ぐらいしか出て来ないモンスターと遭遇して、何回か戦い素材を入手できた。まずは一つの目的を達成。
もう日が落ちるので、一先ず転移門へ帰ろうとした時だった。
「あれは……」
瞳に映し出された光景は、三体の『ドランクエイプ』と言う迷いの森では最強クラスの猿人と小柄な短剣を使用する少女に小さな竜。
「あれは……」
少女の傍にいる小さな竜。確か、フェザーリドラだっけか。あれ、モンスターなのになんで少女の傍にいるんだろう……って、そうか。三体の『ドランクエイプ』と戦っている少女は『ビーストテイマー』なんだ。。
たまに戦闘中に好戦的なモンスターがプレイヤーに友好的な興味を示してくるという極稀に発生する。そして、その機を逃さずに餌を与えるなどして、飼い馴らしに成功すると、モンスターはプレイヤーの『使い魔』として様々な手助けをしてくれる貴重な存在となる。その幸運なプレイヤーを『ビーストテイマー』って呼んでいる。しかも、フェザーリドラって滅多に現れないし、使い魔にすることなんて難しい。イベント条件として、『同種のモンスターを殺しすぎていると発生しない』と言う、考えて見ればかなり厳しい条件を彼女は成功したのだ。
「あっ」
貴重なもの見られたなと、感心している場合ではなかった。
小柄な少女のHPバーが黄色い注意域へと突入していたのだ。本来ならば余裕を持って転移結晶を使って逃げるか、回復するか、走って逃げるべきだと思う。それなのに彼女はただ呆然としていて、『ドランクエイプ』が振り上げる棍棒をただ見ているだけだった。
あのまま呆然としていたら、『ドランクエイプ』にやられて、『ビーストテイマー』の子が死んじゃう!
「このっ!」
彼女との距離は離れていて間に合わないかもしれない、それでも走り出さずにはいられなかった。走りながら背中の細長い棍棒を装備して、なんとか間に合わせようと全力で駆けつけた。
諦めてたまるか。諦めたり、逃げたりするのは“あの時”の後悔で十分だ!
全力で駆けつけている時だった。私は奇跡と言うべき奇妙な光景を目の当たりした。
「なっ!
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