暁 〜小説投稿サイト〜
恋は無敵
第八章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初
「強いね、それって」
「強いですか?向こうを見ないでしたんですけれど」
「向こうを見ないで」
「何かそうすることも時には必要でしょうか」
 向こうを見ずに前を出る、それもだというのだ。
「恋路には」
「だから俺も沸騰する茶釜に手を入れて鉄の棒を握ったのかな」
「そうかも知れませんね」
 今度は微笑んで渉に言う、そしてだった。
 渉の左手、空いているその手を自分の両手で上下から包み込んでこの言葉を出した。
「暫くは私が大島君の右手になりますね」
「左手も護ってくれて」
「そうさせてもらいます」
 自分に見せてくれた彼にそうするとも言うのだった、渉はその左手に麻美子の暖かさと優しさを感じて自分の決断が間違っていなかったことを嬉しく思っていた。その手の温もりを感じて。


恋は無敵   完


                              2012・12・23
[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ