第五十七話
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った。
しかし、刃が当たる寸前、障壁のようなものに阻まれごく浅い傷を負わすに留まった……
「……神器も使えぬ雑魚がワシに手傷を負わすとは、よほど鍛えたか、よほどの剣なのか」
「その両方と言っておく!」
今回、レイミアから借り受けた大剣は幾多の戦場を彼女と共に勝ち抜いてきたもので、折れず、曲がらず……名工の手によるものなのは間違いないだろう。
「言ってくれるではないか! だが、幾度斬りつけようとワシに致命傷など負わすことはできんぞ!」
「ふん……いくら固かろうが………血が出る相手なら殺せる!」
……来いよべネット!スワンチカなんか捨てて素手でかかってこい!とか言いだしそうになったが自重。
本陣に控える者達もそれぞれ名うての相手をしているだけに、こちらの助けに入る余裕は無く、一撃も受けられない戦いをしている俺は全神経を磨り減らされていた。
だが、ランゴバルトのほうも浅手を何か所も受けて動きが鈍ってきている。
もともと碌に痛みを受けないような戦いばかりをしてきたろうから痛みには弱いのかも知れない。
……振り抜かれた魔斧を避け、この雄敵の手甲に全力の斬撃を続けざまに二連、叩き付けると、苦悶の声と表情を上げて恐るべきこの魔斧を取り落とした。
慌てて取りすがろうとするのを見越し、思い切り脚を振りぬくと"ぼぐっ"という音と伴に顔面に見事に吸い込まれ、骨の砕ける感触と、満たされた革袋が破けた時のような不快な感触とが爪先を通して伝わってきた。
どうと倒れた雄敵を見下ろし、転がる魔斧を踏みつけ、未だ本陣で戦い続ける重装斧騎士団の生き残りに、
「貴殿らのあるじにして主将たるドズル公ランゴバルト卿は我が前に屈した! 討ち取られたくなくば直ちに武器を捨てよ!」
「レンスターのミュアハ王子がランゴバルト卿を虜囚とした!」
「ランゴバルト卿が討ち取られたぞー!」
「お前たちの大将はやられちまったぞ! 大人しく降伏しろー!」
俺の勝ち名乗りを受けて本陣の兵らが次々と唱和し、彼らにとって無敵の、あるいは信仰に値するだけの存在が力なく横たわり、縛り上げられて行く姿を目にすると…………
「閣下がお前らごときに屈することなどあるものかー!」
逆上して突撃してきた一騎を、俺の前に立ちふさがったマナナン王が一刀のもとに切り伏せた。
意気消沈した生き残りの重装斧騎士団は武器を捨て抗戦の意思を消した。
俺とランゴバルトとの一騎打ちの生き証人として数名の重装斧騎士団の騎士を縛め、主人と共にダーナへと送った。
残りの騎士達には武器を捨てさせ、そのまま真っ直
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