道場破りと火事での出会い
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……。
「そんなことより怪我を!」
ったく心配性な奴らだな。
紗代
「そんなことより怪我を!」
まったくその通りです。私がやっておいてなんですが…………やり過ぎました。
「…………痛そうですね…………」
千葉さんを起こして背中を見ると、木刀の破片が沢山刺さっています。後は、肋骨が何本か折れているみたいです。
「痛いな…………結構危ないとこに刺さったみたいだ。右手が動かない」
「そんな!」
何人かの門下生さんが私を睨みつけてきます。
「この嬢ちゃんは悪くねえよ。俺が弱かっただけだ。いいな?」
「「「「…………はい…………」」」」
「じゃあ、治療しますね?」
「できんのか?」
「まかせてください」
「なら、頼む」
信じてませんね…………いいでしょう。神鳴に伝わる力をとくと見せてあげます。
「痛いですけど我慢してくださいね」
「なんだ…………っ!!」
私はどんどん木刀の破片を抜いていきます。
「っ、いてええええ!!」
「我慢してください。男なんですから!」
さらに、抜いていきます。
「し、師範?」
「っぅ〜〜〜〜!!!!」
歯を食いしばってますね…………あ、これが最後ですね。肉を少し巻き込んでますが…………気にせず気を通して壊れないように注意して、引き抜きましょう、えい。
「ぎゃああああああぁぁぁっ!!」
すごい声です、思わず耳をふさいでしまいました。
「これで最後です」
私は傷口に手を翳し精神を集中します。そして、龍眼を発動し、的確に傷を見極めて治癒の光をあてていきます。私は治すのに集中しなくてはいけないため、周りの声が聞こえない程のトランス状態にまで入ります。
「なんだ。急に背中が暖かくなって力が戻ってくる…………」
「すげえ。どんどん治って行ってるぞ!」
「……………………」
それから、しばらく治療を続けました。
周作
信じられない事にどんどん身体が楽になって行きやがる。陰陽師とかの連中か?
でも、札も何も使ってないが…………まさか。妖怪の類か?
だが、治療する力を持つ妖怪なんて聞いたことが無いな。
「ふぅ、終わりました」
うっすらと汗が出てるな。立ち合いじゃ息一つ乱さなかったのに…………ずいぶんと無茶をしてくれたみたいだ。
「さてと」
上座の方に移動して座ったが、何する気だ?
「怪我がある方は順番に並んでください。治しますから」
蒼い瞳で神秘的な雰囲気をかもし出してやがる。綺麗だな…………
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