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形而下の神々
10日間の小さな行軍記
行軍1日目
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は冷製……と言えば聞こえは良いがただの冷めたスープにしか感じなかったが、干し肉と一緒に食べると妙にくせになる塩味が出て、何となく美味しくいただけました。

 奴隷と傭兵は同じ物を食すがマスターとかは違うらしく、マストルの野郎は夕食時はワインを煽ってやがった。

 自分でチーズやらを持参してる傭兵を見かけたのでやはり持ち物は自由らしいが、それでも酒類はモラルに反するらしい。
 まぁ、お仕事中だもんね。


 その夜、俺とグランシェは寝袋に包まり、心地好い睡魔に襲われつつも少し会話をした。

「なぁ、奴隷の子供達、どう思う?」
「ユイって子は無愛想だったよ。可愛らしいのに勿体ない」

 シュナウドも無愛想だったな。子供らしくないというか、子供である前に奴隷ですって感じがして何だか気が滅入る。
 が、俺が聞きたかったのはそう言う事ではないんだよ。

「いや、そういうんじゃなくて、武器とか持ってるし」

 寝首を掻かれたりはしないだろうけど、もしシュナウドと戦えば多分俺はあの子に殺される。

 日本ではまさに「平和ボケ」と称される程に安全だったし、アメリカでも常に銃を持ってるヤツなんてそう居ないし、やたらめったら発砲なんてとんでもない話だ。
 だから、やはり隣に武器を携帯してる人間が居ると落ち着かんのだ。とか言う俺も短剣を持ってるのだが。


 その時グランシェがいきなり話題を振ってきた。

「タイチは聞かなかったのか?奴隷の仕組みについて」
「奴隷の仕組み?」

俺はオウム返しに聞き返す。

「俺はユイちゃんに聞いてきたぞ。奴隷はどういうモノなのかをな」
「逆に奴隷本人にそんな事よく聞けたな」

 この野郎、なんてデリカシーのない奴だ。

「じゃあタイチには教えない」
「ごめんなさい教えて下さい」


 俺が謝ると、普通に話し出した。分かってはいたが、やはり別段気にはしてないみたい。


「奴隷になるには量産式の神器が要るんだとさ。その神器は『騎士の誓い』という神器で、剣の形をしてるらしい」
「騎士の誓いで奴隷を作るとか、中々ふざけた設定だね」

 全然騎士じゃないだろ。

「まぁ『騎士の誓い』の能力が奴隷作りに最適だったらしいよ」
「ほぉ、どういう能力?」

 聞くと、グランシェは少し考えてから口を開いた。

「Aさんという人が居ます」

 と、突然グランシェが例え話を始めだす。

「Aさんは『騎士の誓い』を自分で自分の胸にブッ刺しました。しかし『騎士の誓い』を胸に刺しても、Aさんは無傷です。しかもその後すぐに、Aさんの口から真っ赤な宝石が出て来ます。
その真っ赤な宝石が誓いの証。その宝石の持ち主がAさんに死ねと思うだけで、Aさんは心臓が爆発して死
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