三話
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やはり『運命』なのか」
「そうだな、あれを倒す運命の席に座っているのはお前だ。それに奴もお前に倒して貰いたいだろう」
「それで先輩はもう戻れないのか」
「無理だな。この世界……いや、お前やツェルニのために奴自身望んで一体になったんだからな」
それを聞くとニーナは思いつめたような顔で獣へ向けて歩を進めようとする。
が、それを止めたのはまたもクララだ。
「ちょっとニーナ、何する気ですか」
「私が倒さねばならんのだろう、だからだ」
「一人では無理ですって、陛下達だってすぐに来ますから」
「だがこれは私が」
なおも言い張るニーナにクララの怒りが爆発する。
「分からない人ですね、例え運命だからって一人で背負う必要は無いんですよ。あの時だって勝つために私と組んだんじゃないいんですか。それとももう私なんてどうでもいいんですか」
レイフォンと野戦グラウンドで戦ったときの事を喩えとして持ち出す。
レヴァンティンの脅威に打ち勝つため、小隊の違うクララと訓練しレイフォンにも組めば勝てる力を身につけてきた。
思わず言葉に詰まるニーナにクララが更に続ける。
「それにニーナがなんと言ったってみんな勝手に参加するんですから」
「さっき俺は『運命』と言ったがな。お前がここにいるのは『運命』が決めたわけじゃないぞ」
割って入ったアイレインに二人とも怪訝な顔をしてそちらを振り向く。
「あれと戦う奴の席があるのは運命が用意したともいえるが、そこに座ったのはお前の意志だろう。お前に座る資格はあったが座らない事も出来たんだからな。まあお前らがした選択の結果を運命と呼ぶかもしれんがな。いずれにせよ奴は倒す、サヤ頼む」
「分かっています、アイン」
サヤは頷くとどこからか取り出した二丁の銃をアイレインに渡す。
その言葉にニーナはグレンダンでのことを思い出す。
ディック、そしてニルフィリアからこの戦いから降りる選択肢を示され、それを跳ね除けてここまでやってきた。
それ以前にも世界の真実へ続かない道を選ぶことは何度も出来た。
だがニーナは常に自分の意志でこの道を選んできたつもりだ。
『隊長が道を示すのなら私達は付いていくだけです』
『突進するニーナを俺様がフォローしてやらないとな』
念威端子からフェリ、続いてシャーニッドの声がする。
第十七小隊で皆と一緒に、皆で強くなると目標を立ててきた。
一人に、レイフォンだけに任せることはしないと決めてきたことを再び思い出していた。
「そうだった、すまない……いや、ありがとう」
クララに、そして端子の向こうにいるであろう二人に向けて頭を下げる。
「それで戦うにしても急に連携は取れるのか?」
「周りの方達はエルスマウさん達が何とかするでしょうし、リンテンス様や先生達なら合わせる
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