三話
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った。
「大丈夫だろう、それにあの犬っころを始末するのにお前の手があった方が早い」
「この終わりの刻に力を惜しむことは出来ない、か。下の者達の理性に期待させてもらうとしよう」
ニーナとクララ、ニルフィリアにサヤが集っている所に向けて大型の汚染獣が接近してくるのを見てニーナとクララが錬金鋼を構える。
だが、攻撃を仕掛ける前に傍に寄って来た念威端子からの声がそれを押し留める。
『隊長待ってください、あれは敵ではありません。ハルペーと名乗りましたがレヴァンティンとは敵対しているものです』
蝶の形をした念威端子から聞こえてきたのはフェリの声。ハルペーとレヴBとは共に戦い、グレンダンまで連れて来てもらった経緯もあり敵ではなくどちらかといえば味方だと認識している。
戦闘態勢を解いた二人の前にハルペーの巨体が舞い降りる。その背中から男が飛び降り四人に向けて歩いてくる。
誰なのか判断がつかない二人と念威越しのフェリを置いてサヤが駆け出す。
男に抱き締めると男もサヤを抱き締め返す。
「アイン、あなたに再び会える時を、あなたの傍でまた眠りにつける日を待っていました」
「俺もだ、お前と会うために永い時を費やしてきたからな。だがお前が眠るにはあれを倒さなければならんな」
抱擁を解くと今度はニルフィリアに向き直る。サヤはアイレインの左側に並んで立つ。
「ニル、お前とも久しぶりになるな」
「女に会うのを我慢しきれなくなって出てくるなんて、情けないったら無いわね。あれほど時間が有ったのにその程度すら我慢できるようになれなかったなんて信じられないわ」
アイレインの周囲を漂う煌きに冷たい一瞥を投げかけ、冷たく返すニルフィリアにもアイレインの顔から微笑が消えることは無い。
「ニルもあれを始末するんだろ?」
「当然よ、あれは私の敵だもの。必ずね」
意志を確認するような会話をすると、最後にニーナとクララに向かう。
「お前が運命の子か。どこかで見たような気もするが……、ああ、あの時か」
「お前……、いやあなたがアイレイン・ガーフィート、武芸者の祖なのか」
一人で何かに納得しているアイレインにニーナがおずおずと問いかける。傍にいたクララは思いがけない内容に驚いている。
「まあ、そういうことになるな。それよりお前の名前は、俺は知らないんだが」
「あ、私はニーナ・アントークと……って何だクララ」
途中で横からクララが腕を引いて中断する。振り向いたニーナにクララが小声で問い詰める。
「いったいどういう事ですか、武芸者の祖って。それに知り合いなんですか」
「私達武芸者の能力はあの人の能力が基になっていて云わばコピーなんだそうだ。会った事は無いと思うんだがな」
ニーナも小声で答えるとアイレインに向き直る。
「それより私は
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