紗代と小次郎A
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の為だから、この身を汚されても耐えようと思っていたのに、その小次郎が死んだなんて…………。
「生きている可能性もあるがな」
「えっ?」
「何言ってやがる。あの時、俺は確かに…………」
「あいつは、あの瞬間。自ら滝に飛び込んで行った。恐らく生きているだろう」
「おいおい…………」
その話しが本当なら…………小次郎は…………生きているかもしれません。
「だが、他の連中が脱走者を見つけたといっていたから、どうなっているかは、分からんがな」
「そうですか…………ありがとうございます…………」
わざわざ、教えてくれるなんて、以外に優しいのかも知れない。
「どっちみち、死んでるだろ。侵入者もろともな」
「それより、こいつを飲んでもらおうか」
「なんですか、それは?」
得体の知れない物です。ごぽごぽいって白く濁ったもの。
「こいつを飲んだらお前は俺から逆らえない。飲まなくてもいいぜ? ここにいる連中が死ぬだけだからな」
「分かりました」
飲もうと口を近づける。それは生臭くて、とても気持ち悪い…………でも、私は飲むしかない。村長さん、みんな、ごめんね。小次郎、ごめんなさい。お母様、どうか見守っていてください。
「いきます…………」
「ああ、いけ」
どうか、龍神様。皆をお救いください。私はどうなってもいいですから。
「飲む必要は無いな」
「まったくだな」
そう願った時、どこからか声が聞こえて来た。まさか、本当に龍神様なの?
「ケケケ、ドウセソイツラハ死ヌダケダシナ」
「どこだ! どこにいやがる!」
辺りを見まわしてる剛鬼。私は月が翳っていることに気づき、空を見上げると空を飛んでいる二人と小さな人形さんがいました。その身からは圧倒的な存在感とその気配はまるで、本当に龍神さまのようです。
「上だ」
炎鬼さんも気付いたみたいです。
「なんだ手前らは!!!! どうやってここに来た!!!!」
私は彼らをよく見ると、青年の方の首に首飾りを見つけました。そう、あれは…………小次郎が持っていた物です。
シオン
何とか間に合ったな。全く、空を飛ばなきゃ、間に合わなかったぞ。(手押し車はおいて来た)
「なんだ手前らは!!!! どうやってここに来た!!!!」
「うん? どうやってだと? 見て分からんのか馬鹿者め。飛んで来たに決まってるだろ」
うん、たしかにそうだな。質問の意図は違うだろうけど。
「ちげぇ! あいつらはどうした! 兵がいたはずだ!」
「ああ、あのゴミどもか。やつらなら、逃げたか死んだぞ」
「だな。今、生き残ってるのも、うちの子が
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