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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第19話 ヴァリエール姉妹(長女抜き)
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りで分かっていなかった。自分の魔法が、失敗魔法だから危険でないと思い込んでいた。自分の思慮が足りないばかりに、私に怪我をさせた。等々、要するに自分が悪かったと言いたいらしいです。

「ごめんなさい。もう私の魔法で、誰も傷つかない様にするわ」

 ルイズは最後にそう言いました。……はい。それは違うと思います。

「ルイズ。魔法そのものに、良いも悪いも無いと思いますよ。確かにルイズの失敗魔法は、爆発魔法なのだから人を傷つけるのに特化しています。それは逆に、人を守れると言うことでもあると思います。それなら、それ相応の使い方を考えれば良いじゃなですか? それを考えるのも、メイジとして大切な事だと思いますよ」

 ルイズは俯いてしまいました。私はルイズの前に行くと、ルイズの頭に右手を伸ばしながら続けます。

「大き過ぎる力は、魔法・権力に関わらず周りを不幸にしてしまいます。だからその力に釣り合う様に、人間として成長しなければいけないと、私は思うのです。ルイズは今、自分の未熟さを知っているのでしょう。なら、成長出来ますよ」

 私はルイズの頭を撫でながら、淀みなくそう答えました。

「うん」

 そんな私にルイズは、迷いながらも頷いてくれました。

 これ以降ルイズは、私を兄様と呼ぶようになりました。(良いのかな?)



 夜になったのでまた来ました、ラ・ヴァリエール家のボス部屋です。さて……。

「ギル。早く入って」

 今度は深呼吸する間もくれませんでした。いよいよどんな話が出て来るか、不安になって来ました。しかしここで逃げれば、破滅が約束されている様な気がします。

「失礼します」

 部屋に入ると、光源は月の光しかありませんでした。薄暗い部屋の中で、カトレア様はベッドで上半身だけ起こしています。表情は暗くて見て取る事が出来ません。

「こっちに来て」

 そこで違和感がある事に気付きました。カトレア様の声に、緊張の様なものが見て取れるのです。話とはカトレア様にとって、何か重要な事なのでしょうか?

 私は言われるままにベッドに近づき、ベッド脇にある椅子に座りました。

「手を出して」

 私は利き腕である右手を差し出しました。カトレア様は私の右手を、両手で包み込む様に握ります。カトレア様と目が合いました。とても……とても真剣な目をしていました。

「ギルはご両親に受け入れてもらう為に、何処までも真摯に向かい合ったのよね?」

「はい」

 突然振られた話に、私は頷きました。私の両親の話等持ち出してどうするつもりなのでしょう?

「そこには嘘も飾りも無く、ただ残酷に真実と言う毒を飲ませた。そしてギルのご両親は、その毒を飲み干したんだわ」

 今度は黙したまま、大き
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