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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-25王子と踊り手
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うか。そういう話にすればいいんだな」
「……脳味噌まで筋肉ってわけじゃねえんだな」
「ところで、いつにする?早速、明日の朝でもいいか?」
「朝かよ……。オレは朝は弱えんだよな」

 ブライが口を挟む。

「待ちなされ。魔法を用いての手合わせならば、鍛練場も無い町の近くでは出来ますまい。通りすがった者を、巻き込まぬとも限りませんからな。町を()ち、船に向かう途中か、一旦(いったん)船に着いてから適当な場所に移動して行うのが良いでしょう。船の上では出来ませぬし、これから向かうキングレオでも目立つ()()は出来ませぬでな。するならば、出航前ですな」
「それなら、さすがにオレでも目は覚めてるな」

 少女も、意見を言う。

「パトリシアが、心配だから。それなら一度、船に馬車を置いてきたい。トヘロスを使えば、魔物の邪魔も、入りにくいと思う」
「ふむ。わしがマホカンタを使い、まとまっておれば、わしらはまず安全じゃが。馬車や馬までとなると、(おお)い切れぬからの。それが良いの」
「ってことは、誤爆したらオレに返ってくるわけか。せいぜい、気を付けるか」
「誤爆って……」
「んなヘマはしねえがな。気を付けるってだけの話だ」
「それなら、いいけど。いくら兄さんの魔力が多くても、ムキになったらどうなるかわからない。旅立つ前になるんだから、やるとしても一本限りということで」
「そうじゃの。王子の体力は回復出来るが、マーニャ殿の魔力は、そう簡単にはいかぬからの」
「お風呂が()かせなくなっても、困りますわね!」
「すっかり燃料扱いだな。いいけどよ、もう」

 話はまとまったと見て、少女が話を変える。

「それじゃ、明日ね。アリーナは、朝の鍛練はどうするの?」
「それはそれだ!勿論(もちろん)、やるぞ!」
「そう。手合わせも、するの?」
「勿論だ!」
「そう。それなら、そのつもりでいるね」
「元気だな、おい。正直、気が知れねえな」
「さて。それでは明日に備えて、早々に休むとするかの」
「そうですね。それでなくとも、明日からは船旅ですからね。しっかり備えないと」
「クリフトさんも、よくお休みになってね。」
「はい。お気遣いありがとうございます」



 翌朝、今度はブライの監視も無く、アリーナは少女と伸び伸びと手合わせをを行い――監視があっても伸び伸びとはしていたが――、鍛練の後にふたりは(うまや)に寄り、宿の仕事の合間(あいま)に訪れたホフマンに会う。

「おはよう、ホフマンさん」
「おはようございます!ユウさん……と、アリーナ様!あわわ、なんで厩になんか」

 慌てるホフマンに、頓着(とんちゃく)せず挨拶(あいさつ)を返すアリーナ。

「おはよう、ホフマン!そうか、パトリシアは
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