ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
急転直下
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という魂胆だろう。
《レギオン》は個々の強さはそれほどでもない。グロックの9mmルガー3発で事足りる程度だ。
しかし、《レギオン》というだけあって1000体全員の連携は寸分の隙もない。今も10体以上の兵士型に取り囲まれ、二次元移動の道は残されていない。
故にレイは僅かな迷いも見せずに地上から飛び立った。着地するのは、襲いかかろうとした飛行型の背中。
―ドォン!!
すぐさまレイジングブルの引き金を引き絞り、頭部に大穴を空ける。消滅の証であるポリゴン片が空中に溶ける頃には、地上でも同じ破片が舞っていた。
手に持つ武器は銃ではなく、薄刃のコンバットナイフと通常のものの2振り。
左手の通常のナイフを逆手に、薄刃のナイフを正眼に構える。《二刀流》の亜種である《双剣》。
諸々の事情によりSAOでは実装されなかった幻のスキルだ。考えたのは当然、彼。そしてSAOの剣技である以上、それは例外無くシンプルかつ実戦的だ。
薄い刃が兵士型の防御を易々と突き破り、もう片方の刃は急所を的確に切り刻む。
「…………っ!!」
上空に再び気配を感じ、大きく後退してそれをかわす。かわした後の硬直を狙って4体のエイリアンが四方から飛び掛かってきた。
左右のエイリアンにコンバットナイフを投げつけ、脛側面のホルスターからショットガンを抜く。
―ガゥン!!
雷鳴の音に似た発射音と共に散弾が撒き散り、前方の敵を吹き飛ばす。
改造により、メリケンサック状のループ・レバーを取り付け回転させる事により、片手でスピニング・リロードを可能としているため、再装填にタイムラグはほぼない。
コンマ5秒で後方に銃口を向けると、再度発砲した。
(さて……)
もう一度ショットガンを回してリロードしてから、ホルスターに戻す。
(ナイフは投げちまったし、もう銃もほとんど捨てたな……)
お陰で体は大分軽くなったが、戦闘力はがた落ちしている。
一撃必殺のレイジングブルやダブルイーグルの残弾数と、防御の薄い兵士型、飛行型の残存数はほぼ一緒。
これは解決として、問題なのは……。
(ゴツイ砲撃型、要塞型、それから統率個体か……)
固そうな連中が合計20体。
「……ハハ」
圧倒的不利な状況で彼は笑う―――
「ハンッ。いいぜ、やってやる……」
腰のホルスターからダブルイーグルを抜いて、ちょうど近寄ってきた敵の額を撃ち抜く。
「オアアアアアァァァァッ!!」
咆哮をその場に置き去りにし、レイは敵の密集地帯に飛び込んだ。鏡の破片のような光ながら宙を舞い、やがて消える。
地上も空も、彼の通った後に敵影は存在しない。
兵士は吹き飛び、鳥は堕とされ、砲台は潰され、要塞は砕か
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