ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
急転直下
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い。
シノンはスコープを覗き、銃弾の発射位置を捉えた。
―――いた。
大きなサボテンの下。人影は2つ。匍匐している狙撃手と双眼鏡を覗いている観測手だ。双眼鏡を持った男がそれから顔を離すと、シノンの方を向き、ニヤリと笑った。
「…………ッ!!」
途端に湧き上がる恐怖にシノンは抗った。
……あいつらは亡霊なんかじゃない。人を殺し、それを楽しむ精神の持ち主でも、やつらは実体を持った人間だ。
ならば、戦うことはできる。私とヘカートの力が、お前達を上回ると、信じることはできる。
次弾を装填し、先ずは狙撃手、《死銃》を狙う。トリガーに触れ、僅かに絞る。
瞬間、予測線を察知した死銃の銃口がこちらを向く。
勝負!!
トリガーを引いたのはほぼ同時、銃弾は僅かに互いを逸らし合い、50BMG弾はL115のレシーバーを、388ラプア弾はヘカートのスコープを破壊する。
銃の心臓である機関部を破壊された銃は死んだも同然。今この瞬間、《サイレント・アサシン》は死んだのだ。
心の中でその貴重な銃に謝り、砂漠の果てにそっと呟いた。
「後は任せたわよ、キリト」
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Sideキリト
シノンの援護により、《死銃》のメインアームである狙撃銃は潰された。
だが、
(流石だな……!!)
別れ際にレイはキリトとシノン、それぞれに1つずつ警告をしていた。
『やつらの本当の武器は《銃》じゃない。気を付けろ』
そう、あの世界から来たならば、当然《剣》を持っていておかしくない。それを証拠に、100mを切ったところで《死銃》と協力者のプレイヤーは銀色に光るものをそれぞれ取り出した。
死銃の持つ細い金属棒は先端が細くなり、見るからに鋭そうだ。片やもう1人は指の間に鉤爪のように折れ曲がった棒を挟んでいる。
「おおおおぉっ!!」
シノンの援護が途切れたという事は何らかの理由でそれが出来なくなってしまったのだ。遠目に生きていることは確認できるが、彼女の本来の目的は達した。
ここからは俺の役目だ。
飛び掛かってきた鉤爪使いをかわし、死銃に肉薄する。
金属剣とエネルギーブレードが交錯し、通り抜ける。
「……ッな!?」
「チィ……!!」
金属剣は俺の肩に突き刺さり、赤いライトエフェクトを撒き散らす。エネルギーブレードは死銃の脇腹を貫き、こちらも少なくないダメージを負う。
鉤爪使いが居ないのを確認し、バックで距離を取って相対する。
「……珍しい武器だな。というより……GGOの中に金属剣があるなんて、聞いてないぞ」
すると、死銃はフードの奥で
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