暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
第76話 =信じたくないもの=
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イの伸ばした小さな手に触れ、しっかりと握るとその瞬間、光のラインが俺とキリトにも流れ込んでくる。それを見たのか騎士どもが騒いでこちらに剣を振りかぶってくる。だが、それはまるで幽霊のように通り抜けた。

「…うわっ!?」

不意に何かに引っ張られるような気がして目の前が真っ白に染まっていく。俺はユイ、キリトとともにデータの奔流になって世界樹へと突入していった。


――――――――――――

「…っと」

転送された先はのっぺりとした通路のみでスイルベーンやアルンのようなきらびやかな装飾はなにもない場所だった。転送された時間も感覚も転移結晶と似ていたが明らかに違うのは周りの音。あの世界は少なからず騒がしかった…って言ったら失礼かもしれないが、まぁいい騒がしさだった。だがここは逆にひっそりしすぎていて怖いくらいだ。

「にぃ…大丈夫ですか?」

「なんとか、ね…」

「それにしても……ここは一体どこなんだ?」

「判りません…、ナビゲート様のマップ情報がこの場所には存在しないようですから…」

妖精Verではなく少女Verユイが困惑した顔で言う。でもこのまま道なりに進めば必ずいけると思う。見たところ一本道、余計な横道とかは無さそうだから、相手側に見つからなければ楽に行けるだろう。

「…アスナの居場所はわかるか?」

「はい…かなり近いです……。上のほう…こっちです!!」

白いワンピースから素足で床を蹴り音もなく走り出す。いつの間にかサウスからの盾が無かったので持ち主に戻ったんだと思いこんで自身の武器を戻しとりあえず俺もユイを追う。こうしてしばらく走ると左側、外周方向に四角い扉が見えてきた。これにも周りの壁と同じく装飾の類はない。

「ここから上部へ移動出来るようです」

とユイがその扉を指差す。何かないかと扉の辺りを見るとそこには上下を指しているのか三角のボタンが2つついていた。

「…ってこれ……」

ためしに上を指している三角ボタンを押してみると黄色く発光し、同時に扉も開く。…うん、超快適上下移動装置、そして時には鉄の牢屋ともなるもの、エレベーターだ。鉄製の牢屋になる状況は人生に1回あるかないかだけど。ユイは先ほど上、と言っていたのでこれに乗って正解だろう。足を踏み出してそれに乗ると現実と一緒なのか少しだけフワッとした感覚が発生した。

「…いやここまで再現しなくても……」

無駄な製作者の意図に素直に呆れるだけだった。中に入ると光っているボタンがいくつかありどうやらここが最下層、上に行くしかないようだ。それに対し上にはあと2つのフロアがあるがキリトは迷った挙句一番上を押すと、ドアが閉まり現実と同じ上昇感覚が体を包む。想像よりはやく着いたらしくドアが開くがそこには先ほどと同じ通
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