第1話 転校初日
[1/2]
前書き [1]次 最後 [2]次話
12月1日。俺、遠山金二は一般人となった。
理子やジャンヌ、ブラドなどとの戦いや、俺のバカな弟との戦いなどがあったのち――俺(と同じくレキ)は武偵高を退学……もとい、東池袋高校という高校に転校することになった。
俺は共学というのに少し不満はあったが、心に希望と嬉しさを多く抱き、校門を通りレキと別れて俺の教室2年2組の扉を開いた。
までは良かったのだが――
黒板に名前を書いてクラスの連中に自己紹介をしたあと、『ゴリ』というあだ名の体育教師が俺への質問タイムを取る。
すると――
「一発芸見せて!」「趣味は?」「特技は?」
といったずっと、面白く回答出来ない質問ばかりされた。
で、みんな、つまんなそうになった。
俺ってつまらない人間だったんだな。まあ、知っちゃいたけど。
HRが終わる直前にゴリが「今日の一時間目の英語は、こないだ結婚して退職なさった先生の代わりに、新しく入った先生が来るからな」と言い、HRが終わる。
そしてゴリが続けて「学校の事で何か分からないことがあったら、遠山に教えてやってくれ」と――俺の隣に座ることになった女子に言い残して去って行った。
で、指示された窓側の後ろの席についていた俺に……
くるっ。――と、その女子が笑顔で振り向いて来る。
「先生も言ってたけど、何かあったら聞いてね。私、望月萌。クラスの委員長なの。他のクラスにも望月さんがいるから、萌って呼ばれてるよ」
サラサラの髪はふんわりのボブカット、色は少し茶色がかっているが、眉毛から見て地毛。穏やかそうで大きな、ふたえの目。色白で、身長は158、白雪や中空地ほどじゃないものの健康的にグラマーな体型をしている。
……いかん、探偵科の習慣で外見をパーツに分けて分析してしまった。
ていうか、分析せずとも分かるが、かわいいな。ツイてない、これは。俺の場合。
「あ、ああ、分かった」
「さっそく何かある?」
「いや……特に」
ぐらいにしか俺は会話が出来なかった。
元々女子がニガテなのと――なんというか、普通に良い子そうだった。
……眩しい。
銃や刃物なんかで薄汚れた俺には、少なくともそう思ってしまった。
変人が多い武偵高でツッコミ役に慣れすぎて、俺はこんな普通の会話も話しずらかった。
俺との会話を終えて、隣に座っている萌は次の授業の用意を始めている。
俺も用意しなければと思い、そこであることに気づく。
……教科書って、貰ったか?
いや、貰ってないよな。なぜ今になって気づくんだ俺よ。遅すぎるだろ。
――と、そんなどうしようか早速困っていた俺に、隣に座っていた萌が気が付いた。
「どうしたの?」
「
前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ