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SAOもう一人の聖騎士
追想〜思い至る二人〜
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その日、リアルで彼女と会った日だった。少し立ち話をしていたら雨がポツポツと降りだし、やがてバケツをひっくり返すような大雨になった。雨足は止む気配を少しも見せず、雨宿りに成功した時には二人ともびしょ濡れだった。

「寒い寒い」

「少し立ちションしてきていいか」

「もうやめてよー、あたしのアパート、ここだからここでしなよ」

「四階なの」

「エレベーターないのかよ・・・・・」

「だからアパートなのよ」

ほうほうの体で辿り着いた彼女の部屋は、酷く寂しい、殺風景な部屋だった。『女の子にしては』と言う意味でなく、本当にものがない。とにかく俺はトイレを借りた。

「ついでにシャワーも浴びたら?服乾かしておくし」

お言葉に甘えて熱いシャワーを浴びた。全く、また思いがけない展開になってしまった。

「冷蔵庫に缶ビールがあるからのんでていいよ」

入れ違いに彼女がバスルームに入った。落ち着かないバスローブ姿で缶ビールをちびちび飲んでいると、Tシャツとランニングショーツ姿の彼女が出てきた。俺がビールを持っているのを見て、ついでにと言ってパスタを作ってくれた。

「おお、あっさりしててうまい!」

「そう?よかった」

「料理は作る人の性格が出るからな」

食べ終わって一息つくと、彼女はずっと聞きたかった事を聞くような顔で質問してきた。

「リョウ君はさ、彼女とかいるの?」

「さっぱりだなぁ。何せ二年間もVRMMO漬けだったからな」

思い出したくない、ターレスさん達の話を聞かせると彼女は自分の話をしてくれた。

小さい頃両親が一気に死んだ事。実家にはおばあちゃんが一人で住んでること。弟が一人いて、地元の埼玉で板前の修行をしていること。彼が店を持つようになったら埼玉に帰って彼の店の手伝いをするつもりでいること。東京に出たのはお金を稼ぐためらしい。

「ほしいものでもあるのか?」

「それはヒミツだよー」

でも、彼女は安易な同情はしなかった。近しい人間が死んだ人間だけが持っている、特有の気遣いだろう。

「確かにねー時々リョウ君、トラウマにとらわれてますーって顔してるもん」

「そんなに深刻な表情をしていたか?」

「おミズは人間観察のプロですから」

そのあと、彼女はトラウマを乗り越える大切さを力説してくれた。いつの間にか三本目のビールがあいているころには、ただの酔っぱらいの説教オヤジになっていた。

「・・・・・・・あれ?」

気付くと彼女は壁に背を預けて寝息を立てていた。俺は洗濯物を取り込むと、元々来ていた服に着替えた。

「あ、ごめんなさい、寝ちゃってた」

「今日はもう寝ろ」

「偉そうなこと言ってごめんなさい」

「いや、良いん
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