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なりたくないけどチートな勇者
38*出発準備
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た方がなにかと安心ですよ」

……たしかにそうだが……しかし……。

と、ここまで葛藤していると、テトラ君が自分にトドメを刺しにきた。

「先生、たしかに先生なら安心かもしれませんが、シルバも女の子なんですから、姫様や隊長がいる方がなにかと安心かと」

「……いや姫様に護衛させるってどうよ?」

こいつ、頭沸いとんのか?

「ちがいますよ。……続に言う乙女の日とかに男の先生だけで具合の悪いシルバの対処が……」

「よし、エリザついてきてくれ!ミミリィ隊長もお願いします」

自分、撃沈。

いや、しかしそこまで考えていなかった。
たしかにそんな事態になった時、自分だけじゃあ対処できねぇ。

しかたないな……こいつらも連れていかねばならないとは……。
まんまとやられた。

しかし、まぁいざとなればこいつらそのままここにテレポートさせれば問題ないか。

しかしながらこの人数は……
自分のチャリに馬車が追いつけるのだろうか?

なにせあのチャリ、一回使ってみたら瞬時に車より早くなったからね。
これは加減しなければ……

あれ?
そんな乗り物に自分、シルバちゃんをそのまま乗せようとしてたの?

………ありがとう、エリザ、みんな。
自分、浅はかだった。

まぁ、なんだかんだ言ってもこいつらが来るなら、退屈はしなさそうだ。

いい意味でも悪い意味でも。



……こうして、自分の旅は出発前から波瀾万丈な事になっていくのである。

………ハァ。


〜エリザサイド〜


あの後ナルミは普通に授業をして、出発は三日後だと言って戻っていった。

なので今ここには、私とシルバ含む近衛隊しかいない。

そして私はナルミがいなくなった直後、テトラに向かい

「よくあんな事思い付いたな」

素直な感想を言ってみた。

「いえ、先生なら考えていないだろうと思っただけです」

「いや、私も考えていなかったぞ?月のモノなんか、たしかに厄介だが……なぁ」

「そうですね……やっぱり一人ならきついかもしれませんが、そこまでは……」

私はミミリィに同意を求め、ミミリィもそれに答えてくれた。

多少下品な話かもしれないが、やはりこの手の話は結構……

「あの、姫様……」

「なんだシルバ」

シルバは顔を赤くしながら、ちょっとモジモジと恥ずかしそうにしている。
そして、何回か口を開けたり閉じたりをした後、意を決したようにこう言ってきた。

「お、乙女の日とか月のモノってなんですか?わ、私も女の子ですけど……その、わからなくて……男の子の先生も知っているのに……恥ずかしくて……」

「………」

「………男性陣、出てけ」

この後私
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