暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
38*出発準備
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屋の前で。


*************÷☆


「ナルミ、手首が痛い。あんまりだ」

自分が部屋に入るなり、エリザが涙目で訴えてきた。
原因はというと、自分が課した宿題(おしおき)のせいである。

「そりゃーこんなに書いてりゃ健勝炎にもなるわな」

彼女の足元には、昨日自分が渡した、コピー用紙に数学の問題がびっしりとかかれたものが散乱している。
その数え〜っと……あ、60枚。

それをムー君とミミリィ隊長がそれを無言で拾っていた。
ちなみにテトラ君とリム副隊長は、近くでニヤニヤしながらこっちみている。

そんなに自分達二人が一緒にいるのがアレかコノヤロー。

つか、近衛隊全員集合って一体なにさ。
いつもの事だが、なんかハズいぞ。

……あれ?
1、2……うん、全員いるよね。

「ううぅ……スウガクはキライだ。物理をやりたい。波の共鳴や合成や反射の実験をもう一度……」

「お仕置きだからしかたない。つか、数学わからんと物理は出来んぞ。せめて2次方程式はとけるようになれ」

このプリントは全部、方程式の問題をPCでプリントアウトしたものです。
ちなみに裏表で。

この娘は物理に興味深々だけど、数学にはなぜか拒絶反応みせるタイプだからね。
なのでこの前のお仕置きもかねて、克服してもらう事にしたのだ。

ま、ちゃんと全部やったようだし許してやろう。

と、ここまで考えてエリザを褒めてやろうと口を開いた時、リム副隊長が爆弾を投下しはじめた。

「いやぁ、それはそうとナルミ君。婚前旅行はいついくのかな?」

……はぃ?

「なんのこと?」

「さっきなんか騒いでたじゃん」

ああ、あれね。
なんかいい具合に勘違いしてくれたようだ。

危ない危ない。

これはこのまま話を合わせていきましょう。

「ダメです、秘密です!」

いや、シルバちゃんそんな怒鳴らんでも……まぁいいや。

「そこをなんとか、お願い!!」

「ダメです!遊びじゃないんですからね!!」

「ま、そういう事だから、諦めて」

ちぇっ、という感じにリム副隊長がひねくれた表情をしたが、まぁ諦めたようで安心だ。

これで行き先がエリザに知られでもしたら、どうなる事やら。

「まぁ、私としたらすぐに帰って来て欲しいが、たまにはいいだろう。二人でゆっくりしてこい」

「はい、姫様。出来るだけ早く帰って式をあげれるように、頑張ります!!」

なにをだ。
つか、そんな早く帰れな……

「ところで、どこまでいく予定なのだ?」

「はい!クルフの森に魔獣を倒しに……あ」

ばかぁぁぁぁ!!

「ちょっ!シルバちゃん!」

「ご、ごめんなさい!あのそのっ
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