暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
38*出発準備
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は気付いた。

地図がわかんないなら現地の人に聞けばいい。
てな訳で、自分はさっそく現地の人(この世界の人)であるシルバちゃんに聞いてみることにした。

「ね、シルバちゃんさ、クルフの森って知っとる?」

ちなみに、この旅にはシルバちゃんも連れていく事になっている。
つか、おいていったら後が怖そうだし、なにより彼女が暴れて周りに被害が出ないかが心配だったのだ。

だったのだが……なぜだろうか。
これを話した次の日、彼女はまるで準備していたかのように旅の荷物とか道中によくでる魔物対策とか、完全な用意をしていたのは。

そして自分がそれを聞いた時の彼女の眼がかなりすわっていたのはなぜだろう。

「クルフの森ですか?確か西の果てにある、ミムル山脈のどこかにある魔境だって聞いた事がありますが……伝説の中ででてきた土地で、本当にあるのかはわかりません」

少し考えていた自分にむかい、そういいながらシルバちゃんはトテトテと自分に寄ってきて、膝の上にポスッと乗っかってきた。

最近はここが彼女のお気に入りらしくて彼女はちょくちょく乗ってくる。
二人の時以外はやってこないので、しかたないので認めてはいるが、やっぱり恥ずかしいなぁ。

まぁそれは今はどーでもいいのだが。

そんな事よか、クルフの森だ。

「んー、じゃあさ、ミムル山脈ってどこだかわかる?」

「はい、それは昔お父様に連れていかれた事があるのでわかります」

ビンゴ!

よっしゃ、これであのクソ女神の試練に勝つる!!
あんな毒飲んで集団自殺したバジリスクだか、鼻毛真拳が暴発したボーボボたかわからない地図に頼らなくてもいいんだ!!

わぁーい、自分の半日なんだったんだろー。

「じゃあ道案内頼みたいんだけど、いい?」

「あ、目的地そこだったんですか。はい、もちろん問題ありません」

よっしゃよっしゃ。

いつもと違い、なんかいいかんじに事が運ぶぞ。
やっと自分にも運が向いてきたか。


とまぁ、これが出発四日前、つまり昨日のお話しである。

確かにここまではうまく事が進んだ。
そうここまでは。

よーするに、そうは問屋がおろさなかったって訳ですよ。


*************≠☆


「………は?」

「だから!明日出発するんだろ!?なら馬車を操る奴が必要になるから、俺が無償でその役をやってやるって言ってんだ!!耳は大丈夫か!?」

「……ごめんなさい、こいつの事は無視して下さい。それで……あの、明日出発する旅に僕達も連れてって下さい!なんでもしますから!!」

「いやイミワカンネ。君達なにがしたいかがワカンネー」

自分は今、お仕事のためエリザの部屋の前にいる。
そしてそこで
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