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【完結】剣製の魔法少女戦記
第四章 空白期編
第九十九話    『愛の証明編 奇跡の出会い、覚悟の証』
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の後ろに隠れていたカレンが飛び出した。

「ライ…ッ!」
「ッ!? カレン!?」

ライゼルの表情が驚愕に染まる。
それはそうだろう。今まで会いたかった人がお互いに目の前に現れたのだから。

「ライ、お願い! その武器を下げて! 私は士郎さんの事を決して恨んでいない。
あなたが私が死んだ後、どんな道を辿ったのかはわからない。でも私はそんなライの姿は望んでなんていない!」
「カレン…」
「だからその憎しみの想いをなくして…私とまた一緒に暮らそう!」

カレンの必死の告白。
それはライゼルに届いたのかはわからない。
でもライゼルはその顔を悲しみに歪めて、

「もう無理なんだよ、カレン…。僕の恨みは晴れたとしても一緒についてきてくれた我が同志達の想いまではなくすことはできない」

途端、ライゼルの体から濃密な血と魔力の気配が吹き出してくる。
そして詠唱を紡ぎ出した。

「―――この身に宿る(もの)は無い。
血潮は刃に、心は悪魔に捧げる。
幾度の戦場を駆け抜けて無情」

これは…。
まるで私の固有結界の詠唱に感じが似ている。
そう、己の心を曝け出すかのようにライゼルは続ける。

「数多の命を救えど、ただ一つの愛を失う」
「ライ…」

カレンの悲しみの声が漏れてきた。

「彼の王は常に軍勢。
血塗れの丘で好機(とき)を待つ。
故に、この生涯に意味を示す為に…、
この心をあらゆる憎しみに染め上げる」


そして詠唱が終わる。
途端、世界が震撼するかのように震えるような錯覚を味わう。
そして、一陣の風が吹き荒れて、世界は新たな世界へと侵食されていく。
固有結界…!?
その世界は一言で言えば負け戦の後の荒廃したような血濡れの世界だった…。
そして、気づけばライゼルの背後には百人ほどの様々な形相をしている人や死徒が全員同じ騎士甲冑をまとっている騎士の姿があった。

「これが私の宝具…固有結界『鮮血の盟約』。かつて私に付き従ったエミヤシロウや魔術協会、聖堂教会に恨みを持つ者たちの集まりだ。
私の心は彼らとともにあり、これからも不変である事の証だ」

ライゼルの隣に赤い鬣のある巨大な黒い馬が出てきてライゼルは馬を撫で、

「お前も来てくれたのだな。斬月…」

斬月と呼ばれた馬に跨り、

「いざ! 最後の戦いの時だ!!」
「「「「「イエス! マイ・ロード!!」」」」」

ライゼルの配下の騎士達がライゼルの声に反応して答える。
それに私は、

「もう、引き返せないのか…ライゼル?」
「ああ…。彼らの将である私が彼らを裏切るわけには行かないからな」
「そうか…。はやてとリイン、シャマル、カレンは下がっていてくれ。ならば…アインスを取り戻すため…私達も本
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