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【完結】剣製の魔法少女戦記
第四章 空白期編
第九十九話    『愛の証明編 奇跡の出会い、覚悟の証』
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で応援する』
「切嗣…ッ!」
『…だから大切なものをもうこぼれ落とすんじゃないよ…?
さて、それじゃもう一度君たち二人に問うよ。


―――僕はかつて“正義の味方”に憧れていた…。


…でもその過程で僕はたくさんの命を天秤にかけてこの手で殺し、一を殺して十を生かし、また十を殺し百を生かし、また百を殺し…千を生かしてきた。
今思えば愚かな理想だったのだろう。そんな歪んだ想いを僕は士郎とシホ、君たち二人に託してしまった。
でも、君達はこの世界に来て新たな理想を…イリヤの願いだとしても自分自身で抱いた夢を、答えを得た。
だから今の君達は…どうなんだい? 聞かせてくれ…』
「私は、もうその夢を継げない…諦めるしかない」
「ええ、切嗣。私と士郎はもう新たな夢ができたのだから」
『その夢とは…? 教えてくれないかい?』
「「大切な者達を守れる正義の味方…それが私の夢だ(よ)…」」

私とシホは同時にそう答える。

『そうか…。今度こそ心から安心した。守りたいと思った人達を必ず守れるように頑張るんだよ? 士郎、シホ…。
…そしてイリヤ、いまさら何を言っても遅いだろうけど第四次聖杯戦争後に迎えに行けなくて、本当にすまなかった…そしてこれからも士郎とシホと仲良くにね?』
《キリツグ…!》

シホの中からイリヤの泣きそうな声が響いてくる。
イリヤも切嗣と会いたかったという想いはあったのだろう。
泣きそうな声を出しながら、

《うん。バイバイ、キリツグ…!》
『うん、イリヤ…。それじゃ僕はもう消えるとするよ。これはつかの間の奇跡の出会いだったのだから…。いつか、また会おう。三人とも…』

切嗣はそう言って笑みを浮かべて風が吹き荒れた瞬間に姿が溶けるように薄れていきその光は空へと昇って消えていった…。
そして先程までの空気が嘘だったかのようにあたりは静寂に包まれた。

「―――クククッ…」

しかしそこでライゼルが突如として笑い出した。

「なにが、おかしい…?」
「返答によっては容赦はしないわよ…!」

切嗣とのつかの間の再会を台無しにされたと思い私とシホは殺気をライゼルに浴びせる。

「…いや、すまない。君たちのことを笑ったわけではないんだ。笑ったのは私自身なのだから。
復讐に身を焦がし闘争の果てにカレンの下へとついにはたどり着けなかった私が君たちの新たな夢を笑うことは侮辱だということにね」
「ライゼル…」
「でも、まだ完全に納得はしていない。君達の覚悟を聞いても僕はまだエミヤシロウに対する恨みが心から消えない。だから最後の決着をつけようじゃないか?」

そう言ってライゼルは腰に下げているサーベルと刀を同時に抜き放つ。
それで私達は来るか! と構える。
でもそこで今の今まで私達
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