過去と異世界
奴隷と傭兵
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いよ別に、ショボいので」
そう言うと、グランシェはいかにも西洋人といった風に肩をすぼめて言ってきた。
「分かってないなぁタイチは。武器ってのは妥協しちゃダメなんだ!!」
ま、まぁ確かに言えてるな。
「お、おぉ、そうか……」
「まぁ仕方ないね、何か良い案はあるかい?」
珍しくグランシェが戦闘の事に関して俺に意見を求めてきた。
まぁ俺の命を守る武器の話だから当たり前だが、戦闘という彼の専門分野に関することで意見を求められると何となく嬉しいもんだな。
せっかくなので、俺は自分のやりたい事を好き勝手行ってみる事にした。
「正直、武器はそう大した物は無くても良いんだ。これに甘んじるつもりもないが、俺には瞬間移動がある」
「おぉ確かに。瞬間移動があれば特別な装備はなくても攻撃は通るだろうな」
お、思ったよりは好反応かも。
「そうだろ? だから、俺はある程度の剣と大量の手榴弾が欲しい」
「手榴弾?」
「そう、手榴弾だ。正確には手榴弾の材料。そこに血液を入れて軽い爆風で拡散させたいんだ」
それさえ出来れば、俺の瞬間移動はかなり使える。
「ほぉ、確かに良い案だ。剣は軽い物を買って、後は手製の爆弾とその他の消耗品にかけるか」
「あぁ、そうしてくれ」
そうして、俺には扱い易いらしい軽めのマンゴーシュがあてがわれた。
お値段なんと45万コイン。
残り1万コイン。それすなわち約1000円。こんなので何をしろって言うんだよ。
「心配するな、爆弾ならちゃんと考えてるから」
俺の顔色を見て察知したのか、グランシェが説明を始めた。
「石を使うんだよ」
「石?」
聞き返すと、ヤツはお得意のドヤ顔で語り出す。
「そう、あらかじめ石ころに血液を付着させとけば、その点を中心に瞬間移動が出来るだろ? いっぱい石を使えば、その分瞬間移動の性能も上がる。どうだ? 良い案だろ?」
「確かに……そりゃすげぇ」
やはりグランシェは戦闘に関しての機転なら段違いに良いみたいだ。
確かに、正直のところ手榴弾は少し重たそうだし、数をそろえるという観点ではコストもそれなりにかかるだろうから、決して扱いやすいとは言い切れないからな。
そうして後の時間は石ころ拾いにいそしむ事となった。
時間をつぶした後、例の初仕事の集合場所に行くと既にほとんどの人間が揃っていた。
「30人、全員揃っていますね」
壮年の紳士が3人、集まった傭兵達の前に立って言う。
「私が今回のお仕事を取り仕切らせていただきます、依頼者のアーク=マストルと申します。
今回運んで頂きますのは子供の奴隷12人。イ
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