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世界樹へ《5》鉄翼の龍と紅尾の龍
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の立場を決め込むと思っていたのに……」

 
 グリヴィネは天を仰いで叫んだ。


「私だけでは頼りにならないと!?私ではこの仕事が務まらないというのですかマスター!!」


 その声にこたえるように、聞きなれた声がした。


『そんなはずないじゃないか、僕のグリヴィネ。君がピンチだから駆けつけてやったのに。…まぁ、僕の《鎌》ならそんな助けは要らなかったかもしれないけどね』


 同時に、空が、裂けた。


 
 そしてそこから、何者かが降りてくる。

 
 オレンジ色のぼさぼさの髪。眉間と鼻の間に走ったX字の小さな傷。

 見間違えるはずもない。セモンのもう一人の親友にして、グリヴィネの兄――――――――





「シャノン」


 

 シャノンはセモンとコハクに笑いかけてから、ハザードの方を向くと、言った。


「そんなナンセンスな翼つけて…。ほんとにモンスターじゃないか。翼っていうのはね、今はこういうものが流行(はやり)なのさ」


 その背中に、金色の光が密集し…



 金属の翼が、現れた。



「はじめようか。《英雄殺しの龍(ファーヴニル)》と、《龍殺しの栗鼠(ラタトスク)》の戦いを。」  
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