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世界樹へ《5》鉄翼の龍と紅尾の龍
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人気を誇る」
「は〜…」


 そのまま飛行を続けること約十分。ついに、前方にこの世界の中心である《央都アルン》が見えてきた。

 グリヴィネが振り向き、前方を指さして言う。

「見えましたよ!あれが《世界樹》イグドラシルです!!」
「でっか――――!」
「すごい!!」

 雲に隠れた空までその枝を伸ばす巨大な大樹。二重表現になるが、そうとしか形容の使用がない。あまりにも大きな、大きな、木。

「もうすぐアルンの入口が……」
「?」
「どうしたの?」
「!!―――――二人とも、私の後ろに!!」
「へ!?」
「な…きゃぁぁぁ!?」


 ものすごいスピードで、巨大な剣が飛来した。

 
「なんだ今の!!」
「来ますよ!」

 
 もう一本。さらにもう一本。

「何のつもりなんだ!」
「……『ジェネレート、《ラスター・ギア》。SS《マスターズ・カウンターメモリー》」


 グリヴィネの右手に黒ずんだ鎌《ラスター・ギア》が出現する。同時に、彼女の周りにいくつものホロウィンドウが開く。

「なんだ!?」
「お二人とも、下がっていてください。ハザードさんが来ます」
「え!?」
「…ハザードが?」

 その言葉が嘘ではないことが、次の瞬間に証明された。



「グルルル……ルゥォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」



 真紅の双翼をもった竜が、現れた。


「ハザード!」


 ハザードは右手に握った大剣でグリヴィネを攻撃する。しかしその攻撃は、ホロウィンドウに阻まれてしまう。さらに攻撃されたウィンドウが光を放ち、反撃の魔法を打ち出した。どうやら攻撃されたときに自動でカウンターをするシールドのようだ。


「グルァ!!」
「……」

 ハザードが剣を振る。カウンター魔法を受ける。グリヴィネが鎌をふるう。しかしハザードも左手と尾の大剣をふるって防御する。

 
 一進一退。どちらのHPもなかなか減らないが、確実なヒットをすればその瞬間に戦いの勝敗が決まるであろう。


 そしてその瞬間は、意外と早くやってきた。


 ハザードが、どこから持ってきたのか()()()()大剣をふるったのだ。これによりラスター・ギアの軌道がわずかにずれた。

「しまった!」
「グルァァッ!!」

 三本の大剣がふり下ろされた――――――その瞬間。


 ガキィィン!!という音がして、凄まじいインパクト光が弾けた。

「!?」
「なんだ!?」
「何が起こったの…?」


 グリヴィネもその隙に引き返してくる。ホロウィンドウはいつの間にかすべて消えていた。


「まさか……。傍観
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