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第五十六話 鳥籠に囚われた者たち
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まけですか、なんてツッコミを入れたいルナであったが何とか自制する。

「ふざけないで!!私だけならまだ我慢はできたわ。でも、そんなことのためだけにルナを巻き込むなんて・・・!!」

激動するアスナだったが、その言葉を聞いたオベイロンこと須郷はひっひっと甲高い声で下劣な笑いを見せる。

「本当にそれだけだと思っているのかい?」

「なんですって・・・?」

「・・・・・・」

「君は知らないようだから教えてあげるよ、ティターニア。そこにいる小娘はあの【ネクサス】の副社長である柊 俊介の一人娘だ」

「つまり、私を使って何か企んでるってことよ」

冷静にそう言うルナ。対して、アスナは友人が利用されることに当然のごとく不快感をあらわし、オベイロンに対して怒りを向ける。が、それより前にルナの言葉が響いた。

「それでも副社長ってだけだよ?あの会社の代表権は社長である天宝 夜鷹さんがもってるはずだし」

「・・・随分と冷静な意見じゃないか、小娘ごときが」

「だって、あなたは大事な人質である私たちに手を出すことはできないでしょ?」

そう言ったルナ。その言葉を聞いたオベイロンは人を蔑むような笑みをうかべ、次第には甲高い声を上げて聞くに堪えない笑いをもらしながら口を開いた。

「これだから何も知らない奴っていうのは滑稽だよ!フルダイブ技術が娯楽市場だけの技術ではないという事実を知っているかい?こんなものはね、副産物でしかないんだよ!!」

「・・・・・・」

オベイロンの言っていることがわからないのか、ルナとアスナは黙ったままオベイロンを見据えている。

「フルダイブ用インターフェースマシン――ナーヴギアやアミュスフィアは脳の感覚視野に限定し、仮想の信号を与えているわけだが――もし、その枷を取り払ったらどういうことになるだろうねぇ!つまり―――」

「思考、感情、記憶と言った脳の感覚処理以外の機能までも制御できる可能性があるってことでしょ?」

オベイロンが意気込んで今まで述べていたことの結論をいおうとしたが、それはルナによって横取りされた。調子付き、自身に酔っていたオベイロンは台詞がとられたことに不快感をあらわし、ルナを睨みつけるがルナはどこ吹く風といったようにその視線を流す。
ルナとオベイロンが見えないやり取りをしていると、アスナが声を震わせながら言った。

「・・・そんな、そんなことが許されるわけが・・・」

「誰が許さないんだい?法かい?それとも――」

「それを是としない人たちよ」

またもやオベイロンの言葉を区切るように言うルナ。そこでオベイロンの我慢の限界がキレたのか、ルナに仕置きでもするのか近くに歩み寄ろうとしたところで、声をかける人物が現れた。

「その辺にし
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