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剣の丘に花は咲く 
第一章 土くれのフーケ
第四話  誓い
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からクゥ〜という音が鳴った。
 


 魔法学院の教室は、大学の講義室を石で造ったようなものだった。講義を行う教師のメイジが一番下の段に位置し、階段のように席が続いている。

 ふむ、時計塔と雰囲気が似ているな。

 士郎は遠坂と共に時計塔に通っていた時のことを思い出していた。

 まぁ、あそこも大概だったが、ここまで古風ではなかったか。

 二人が中に入っていくと、先に教室にいた生徒たちが一斉に振り向き、ルイズの後ろにいるシロウを見て顔を見合わせた。すると周りから、くすくすと小さな笑いが起きた。
 士郎が教室を見回すと、男子に取り囲まれ女王のごとく扱われているキュルケと目があった。士郎に気付いたキュルケは笑みを浮かべると、小さく片手を上げひらひらと振って見せた。それに気付いたルイズは、頬を膨らませながら士郎の外套を引っ張り、無言で足を進めた。教室の一番後ろの席に向かったルイズは、一度ふんっ、と大きく鼻を鳴らした後、ドカリと音を立てながら椅子に勢い良く座った。
 一目で私怒ってますと言った様子を見せるルイズの姿に、士郎は肩を竦めながらも黙ってルイズの後ろに立つと、腕を組んで背中の石壁に寄りかかった。

「シロウ、さっきも言ったわよね。キュルケにデレデレするなって。わたしの話をちゃんと聞いてたのっ」

 そう言って、ルイズが後ろに控えた士郎に振り向いた。しかしそこには、教室の中を物珍しげに眺めている士郎がいた。

「全く言ったそばからっ! ちゃんとわたしの言うことを聞きなさいっ!」

 額に血管を浮かばせながらルイズが文句を言うと、士郎は苦笑を浮かべた。

「ああ、すまないルイズ。伝説上の生き物がたくさんいるからな。ついつい見てしまったんだ」
「伝説上の生き物?」

 士郎の言葉に驚いたルイズは、疑問に思った。ここにいるモンスターは、確かに珍しいものもいるが、伝説に唄われるようなものはいなかったからだ。

「ああ、そうだ。俺のいた世界では、ここにいるもののほとんどが、各地の伝承や伝説で語られるだけのものだったからな。つい珍しくてな」

 士郎のそんな言葉にルイズは、キュルケとの一件を思い出した。たしかあの時、士郎はサラマンダーを見たことがなかったと言った。確かにサラマンダーは珍しいモンスターだが、あそこまで過敏に反応することではない。
 そこまで考えたルイズに、ある疑問が思い浮かんだ。

 あの時、シロウは一瞬でキュルケのサラマンダーを押さえ込んでいた。もし、おの時止めなければ、サラマンダーは確実に死んでいた。でも……それがそもそもおかしい。キュルケのサラマンダーはまだ子供だけど、それでも倒すには平民の剣士が十人いても足りない。シロウが言うには、シロウは異世界の魔術師だと言うけれど、昨日聞い
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