第一章 土くれのフーケ
第三話 異世界から来た男
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の用意が出来ないから今日は、床で寝てくれる?」
そう言ってルイズは、士郎に向かって毛布を一枚投げてよこした。
「まぁいいが、それよりルイズ」
毛布を受け取った士郎が服を脱いでいるルイズに対し、少し強めの口調で話しかけた。
「な、なによ」
士郎に話しかけられ、服を脱ぐ手を止め士郎に向かいあったルイズは、少し怒ったような顔をしている士郎に驚いた。
「着替えは見えないとこでやれ」
「そっそんなこと言ったってここが私の部屋だし……」
「それだったら、着替える前に一言声をかけろ」
「ごっ、ごめんなさい」
怒っているが、心配しているような感じで言ってくる士郎にルイズはバツの悪そうな顔をして謝った。
「分かってくれたらいい。それじゃあ俺も寝るからな」
そう言って士郎は入口の近くで毛布にくるまって横になった。
「うん、おやすみシロウ。えっと、それで悪いんだけど、明日カゴに入れている洗濯物洗ってもらってもいい?」
士郎は目をつむりながらルイズに答えた。
「ああ、それぐらい構わない」
「そう、ありがと。あと、朝おこしてね」
そう言ってルイズは指を鳴らしてランプの明かりを消した。
「了解だマスター、いい夢を」
「ふふっ、ありがと。おやすみシロウ」
何となく、くすぐったい気持ちになったルイズは、ポカポカと暖かい気持ちが溢れてくる胸を抱きしめながら、ゆっくりと眠りに落ちていった。
ベッドから聞こえる、ルイズの寝息を耳にし士郎は天井を見上げた。
頭に浮かぶのは、先ほど見た写真の人達の顔。
「遠坂……桜……ルヴィア……っは……大人の関係か……」
士郎は苦笑を漏らしながら、初めて過ごす異世界の夜に意識を委ねた。
「……洒落にならんな」
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