第一章 土くれのフーケ
第三話 異世界から来た男
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に巻こうとしても無駄よっ! さっさと言いなさいっ!」
士郎はルイズのその剣幕に目を見開いて驚いたが、詰め寄ってきたルイズをまたも右手で押さえ込みながら答えた。
「ふみゅっ」
「すまんすまんルイズ、まあそうだな、この世界が俺がいた世界とは違うことに気付いたはいいが、もちろんこの世界のことは全く分からず知り合いもいない、それに金もない。どうしようかと困っているところに―――」
そこまで言って士郎は、ルイズを指差した。
「君が俺を使い魔にしたと言ってきた。君の声を聞いた時から、俺に話しかけていた子だと分かったし、見知らぬ世界で途方に暮れていたこともあり、君の使い魔になることを了承したってことだ」
「はぁ〜つまりあんたは、わけの分からない世界の足がかりのために、私の使い魔になることを了承したってこと?」
ルイズは、士郎の予想外の返答に呆れるような声を出した。
「まぁ、そうとも言う、が。ルイズが俺の命の恩人だから使い魔になったというのが一番大きいぞ」
それに士郎は、苦笑しながら頷いて答えた。
それを見たルイズは、腕を組んで士郎を上目遣いで睨みつけた。
「まあいいわ、どんな理由でもアンタがあたしの使い魔に了承したことは間違いないんだから」
それを聞いた士郎は、頭を掻きながら。
「まあそうだな、しかし、さっきも言ったとおり、俺は異世界の人間だからこの世界のことはよく知らん。だからコルベール先生が言ったような普通の使い魔が出来るようなことはほとんどできないことは了承してくれよ」
士郎はコルベールと保健室で話した際、聞いた使い魔の仕事を思い出しながら答えた。
「む〜まあ、しょうがないわね、事情は事情だし……でも異世界ねぇ、あんまり信じられないんだけどなぁ……」
「そこは信じてくれとしか言いようがないが」
ルイズは難しい顔をして、額に人差し指を当てながら士郎に問いただした。
「じゃあ、アンタは何ができるの?」
「ふむ。まあルイズの身を守ることぐらいは出来ると思うが」
そんな士郎の言葉にルイズは、士郎の頭から足の先まで見回して、先ほどの士郎の話を思い出した。
「そう言えばシロウ、アンタさっきの話の中で魔術師? は、世間から隠れているって言ってたよね。なのになんでアンタはそんなことを知っているの?」
士郎は、寄りかかっていた壁から身を離し、夜の帳が降りてきた景色が見える窓に近づき、それを背にするように立ってルイズに向き直った。
「簡単なことだルイズ……俺が魔術師だからだ」
「えっ……アンタが魔術師?」
士郎の言葉に、ルイズは呆気にとられた顔で士郎を見つめた。
「そうだ……まぁ、使える魔術は基本三つしかないがな」
そんなルイ
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