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ONE PIECE NOVEL -SHISHI BREAK STORY-
第08話 息子
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のもの。もし、成功すれば次はあんたら傘下の海賊の番だ……ましてや、大将の『赤犬』が言ったんだ。いくら自分の船員を守るためとはいえ、何かの策略だとは気付かなかったのか?」

「………」

俺の言葉に黙るスクアード……俺は原作を読んで、スクアードと『赤犬』のやりとりを見て思っていた事を口にしていた。あんなにあからさまに大将がこの作戦には反対と言ってくるなど、見え見えの罠も良いところである。

まあ、あの緊張感に包まれた戦場の中で常に冷静でいることはなかなか難しいと思うが、それでも自分のオヤジを信じていれば、例え『赤犬』の言っていることが本当だったとしてもあんなことは出来ないはずだ。それをこの男は相手の言葉を信じた……つまり、『白ひげ』を信じ切れなかったって事だ。

「俺もあんたが疑ったことについては許すよ。」

「!!」

俺がそう言うとスクアードはバッと顔を上げた……その目にはうっすらと涙が滲んでいた。

「確かに俺はエースを救出するために、いろいろと動いていた。そのせいで、それを逆手に取られて、俺や『白ひげ』を疑うのもよく分かる……だが、あんたがやったことは許されないことだ。だけど、あんたは自分の大切な『仲間』を守るためにそうするしかなかった…昔の様な事を2度繰り返さないように……そうだろ?」

俺が腕を組みながらスクアードの近くに歩み寄ると、スクアードは少し肩を震わせていた。

「なら俺も許すよ。だけどな…エースとは仲良くしろよ?罪があるのはロジャーでエースじゃない。エースもお前も全部『白ひげ』の家族で『息子』じゃねえか……そうだろ?『白ひげ』。」

俺が『白ひげ』方へと顔を向けると、やれやれといった感じで俺を見返してきた。

「小僧……まさか、てめぇに言われるとはな。だが、小僧の言う通りだ…スクアード、お前がロジャーをどれ程恨んでるのかは俺が痛い程よく知ってらァ。だが、親の罪は子供には関係ねーんだ!エースがお前に何をした?」

『白ひげ』は1度、スクアードを胸から離して肩に手を置き、ニッと笑いながら言った。

「エースだけが特別じゃねェ…皆、俺の家族なんだぜ…」

「オヤッさん……ウゥ……!!」

俺と『白ひげ』の言葉にスクアードは肩をますます震わせながら、啜り泣いていた…しかし……

「オヤッさァん!!!ウソだと言ってくれ!!」

「おれ達を本当に海軍に売ったのかぁ!?」

詳しい事情を知らない他の海賊達は未だに『白ひげ』と俺が示し合わせているかと思っているようで、疑いの声があちこちで上がっていた。その声に『白ひげ』は処刑台にいるセンゴクを睨みつける。

「まったく……『智将』センゴクはまだ衰えてないようだな。俺らの中、引っかき回しやがって…俺が息子らの首を売っただとぉ…!?」
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