第一章 土くれのフーケ
第二話 あなたのなまえは……
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―――このまま死ぬなんて絶対に許さないからっ!―――
……ッ……
―――あんたは私の使い魔なんだからっ!―――
……だ、だれ……だ……
―――絶対に死なせないっ!―――
……この……こえは……
―――根性見せなさいっ!―――
……だれ………
―――一人に……しないで―――
……なん……だ……
ガバッ!!
「ここは……どこだ?」
全体的に白く清潔な印象のある部屋、学校の保健室が一番近い印象がある、しかし、
「なんか……古い?」
古いと言うより、古風だと言うべきか。壁は、白いレンガのようなもので出来ており、中世の城の一室にも思えた。
その古めかしさに、どこか懐かしい想いを抱きながら周囲を見渡した士郎は、その理由に思い至る。
「ああ、時計塔に雰囲気が似ているのか」
一昔前に、遠坂と一緒にロンドンに渡った際、短い間であったが通ったことのあるロンドンの時計塔に。
「しかし、本当にここはどこなんだ? 死んだと思ったんだが?」
気を失う前、自分が負った傷の具合から、致命傷であることをハッキリと理解していたからこそ、今ここで生きていることが不思議でならない。
「まあいい、まずは体の状態を調べないとな」
自分のことは、裏で様々な噂が流れているため、もし自分を助けた者がその噂のことを知っている者だとすれば、自分の体に何をされているか分からない。
「解析開始」
―――魔術回路二十七本確認―――
―――動作可能回路二十七本正常―――
―――魔力量正常―――
―――警告一 未確認のパスを確認―――
―――警告二 未確認のパスからの魔力供給を確認―――
次に肉体
―――身体に損傷個所なし―――
―――神経、内蔵等も損傷個所なし―――
―――身体機能の異常なし―――
―――警告三 左手甲に解析不能の術式を確認―――
「なんでさ……」
死んだと思ったら、わけの分からない場所で寝ており、致命傷を負っていた体はキレイさっぱり治って、見知らぬパスが繋がっており、解析できない得体の知れない術式が体に刻まれている。
「だがこの感覚、どこかで」
蘇るは、今の自分になる大きな切っ掛けとなった聖杯戦争、その際、交わした契約のこと。
「サーヴァントとの契約に似ている気がする……が、主従が反対だな」
そう、聖杯戦争時に交わした、サーヴァントとの契約に似ている気がするが、自分の魔力が流れて行く感じはないが、逆に与えられている感じがする。
「はぁ……なんでさ」
男は溜め息を
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