Mission
Mission8 ヘベ
(1) マンションフレール302号室/トリグラフ港~マンションフレール302号室
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大事なことは写真じゃないのに。こんなんじゃ、とーさまの言いつけは守れない)
あのメンバー全員に必要な写真を取りに来てもらうよう、ルドガーに伝達を頼んだ。それぞれ会う機会があれば写真を求めてくるだろう。
――“そりゃあ、写真を撮るのが楽しいからだろう”――
がつん! と、自分で自分の頭を殴った。通行人がすわ何事かと彼女をふり返ったが、彼女は揺るぎなかった。
(ユースティアにタノシイは要らない。とーさまが教えてくれたことのなかにタノシイはなかった。ダイジョウブ、できる。これからはとーさまの言いつけ通りにするんじゃなくて、とーさまの言いつけだけを守って生きていこう。ルドガーを救う。ユリウスを生かす。それがユースティアの産まれた理由。愛したとーさまのネガイ。おじさま方のネガイ。ワタシだけが叶えられる)
足元から猫の鳴き声がした。心臓が大きく跳ねた。
見下ろすとルルがいた『ので』、ユティは即座に『飛びのいた』。そして、はたと気づいた。
「オマエは正史世界のルルだったね」
ルルが足にすり寄ろうとしたので、ユティはひらりとルルを躱した。
「ナァ〜」
「ワタシに触らないほうがいい。あの遺跡にいた『ルル』みたいに、オマエも細切れにしちゃうかもしれないよ」
「ナァ〜!」
「あそこで『ルル』を連れ帰ったらミラに同時存在の不可能性を知られた。ミラのメンタルは自分で手一杯でルドガーに向かわなくなる」
(分史世界のルルは、オーディーンとの戦闘のどさくさに紛れて処理できたからいいけど。あの任務は何故かスレスレな話題ばかり出てひやひやしたのに、物証まで出てきてどれだけ焦ったか)
見下ろす。ルルは物言いたげにユティを見上げてくる。ユティは苦く笑って首を振った。
(ルドガーには、ユリウス以外の人とたくさん仲良くしてもらわなくちゃいけない。ミラは恰好のポジション。もうしばらくルドガーだけ見つめて?)
感傷を打ち切って帰途に就いた。ルルは距離を空けて付いて来た。
マンションフレールに帰り着いた。階段から3階へ上がり、帰ると表現して差し支えなくなった302号室のドアを開けて部屋に入る。
『『『おかえり!!』』』
迎えた声はルドガー一人のものではなかった。
ユティは玄関で立ち尽くしてしまった。
4人暮らしでちょうどいいくらいのテーブルに、5、6……10人もの老若男女詰めて座っている。さらにその10人は、ここに住むルドガー、エル、ミラを除いても全員が知った顔。
「お前が言ったんだじゃないか。写真取りに来るようにみんなに伝えてくれって」
「みんな同じ日に、なんて言ってない」
「言ってないな。こっそり集合かけたのは俺たちだ。予定すり合わせんのが多少めんど
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