暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜我は蟲触の担い手なれば〜
『転生。 或いは、交差する赤と紅』
EP.03
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手で顔を覆い隠す。
 一秒、二秒。 ……そして、三秒。
 一拍の呼吸を置いて、騒がしい足音がドタドタと響き渡る。
 痛々しい静寂を引き裂いたのは、やはりというか母さんの叫びだった。

「お、お、お、お、おおおお。 お、お父さああああああんっ!!」
「どうしたんだ、母さん? またイッセーが、朝から一人でエッチなことでもしてたのか?」
「三人でシてたのよおおおおっ!? あの子が、女の子を部屋に連れ込んで!! しかもッ、二人も!!」
「!? か、母さん。 母さん、落ち着いてっ!!」
「落ち着けるわけないでしょおおおおっ!?
 イッセーがシてたのよ!! ヤってたのよ!! 朝チュンで3Pなのよおおおおおっ!!」

 最悪。 最悪の朝だった。 階下の様子が手に取るように、容易く想像できてしまう。
 とりあえず、家族会議は確定だろう。 ああ、この状況をどうやって言い訳しようかな……。

「ふふっ、朝から随分とにぎやかなお家ね」
「まったくだね。 素敵なご家族を持つイッセーくんが羨ましいよ」

 二人の先輩はベッドから抜け出すと、俺の机の上に置かれていたそれぞれの制服に手をかける。
 おそらくは、これから着替えるつもりなのだろうが……。

「せ、先輩!!」
「……何?」

 思わず出した俺の声に、裸のままのリアス先輩が反応する。
 そう、裸だ。 まぎれもなく、その姿は全裸だった。
 手で覆えばかろうじて隠せるであろう己の秘部すらも、恥じることなく晒している。

「その、見えてます……。 お尻とか、おっぱいとか……」

 先輩の裸体から、渦巻く自身の欲望から、顔を背けて俺は言う。
 判っている、気付いていないわけがない。
 それでも、言わずにはいられなかった。
 けれど。 けれども、彼女は言った。

「そう? いいのよ、見たいのなら好きになさい」

 堂々と、優美に、凛と、着替えながらも微笑を浮かべて。
 リアス先輩は間違いなく、俺に向かってそう言った。

 ―――ッッ!!
 ―――そんな日本語があったんですかっ!?

 学校では習えない素敵過ぎる日本語が、電流となり思考回路を駆け巡る。
 しかし、それだけでは終わらなかった。
 なんとも甘美な電撃に酩酊する俺に向かって、第二の爆弾が投下される。

「ほら、イッセー君。 ……これ、返すよ」

 はらりと軽い音を伴い、俺の手元に落とされた白のYシャツ。
 同時に暴かれた桐原先輩の裸体が、俺の視界に映り込む。
 微かな匂いと温もりを含んだそのシャツは、まさしく先程まで桐原先輩が着ていたものだった。

「さて、これで君に裸を見せるのは二度目だったかな?
 尤も、一度目は下着をちゃんと着けてたし、小さな覗き穴からだったからよくは
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