暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
飛翔と空への憧れ
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「ろけーたーすとーん?」
案の定知らないようだったキリトの顔に苦笑を返しつつ、リーファは展望台の中央に置かれた人の等身大ほどの高さの石碑を指差した。
それを見て、レンとカグラは得心といった風にさっさとそちらへ向かって歩き出した。
それをキリトと二人して追いながら、石碑について手短に説明をする。
「んーとね、ロケーターストーンっていうのは、簡単に言っちゃうと昔のゲームで言うとセーブポイントのことだよ。あそこで記録してたら、もし死んじゃっても最後に記録したロケーターストーンの位置で復活するってわけ」
「なるほど。ALOにもそんなシステムがあるんだな」
「そりゃそうだよ。いくら島が世界の全てとは言っても、直径がリアル置換で五十キロ強あるんだから」
「な、なるほどな。そりゃ確かに死亡位置に戻るだけでも一苦労だ」
そんなことを言い合っている間にも、レンとカグラは石碑の前で位置の記録を済ませていた。
それに続き、リーファも石碑の前に立ち止まる。
すぐさま視界の中央に、記録を行うかという旨の書かれたシステムメッセージウインドウが浮かび上がり、躊躇わずにイエスのボタンを押す。
すると、体を中心に薄緑色に発光する光の輪が出現し、それが二つに分かれてあたかもスキャンするかのように一方は足に向かって、もう一方は頭に向かってゆっくりと上昇と下降をし始めた。
すぐさま光の輪はそれぞれ頭の天辺と足のつま先まで行き届き、セーブしましたのウインドウ。
隣を見ると、見よう見真似といった風なキリトが同じように光の輪に調べ尽くされたところだった。
さて、というような感じでリーファは四枚の翅を広げて軽く震わせた。
「準備はいい?」
「ああ」
「うん」
「はい」
レンとカグラ、キリトと、彼の胸ポケットから顔を出したピクシーがこくりと頷くのを確認して、いざ離陸しようとしたところで────
「リーファちゃん!」
エレベータから転がるように飛び出してきた人物に呼び止められ、リーファは僅かに浮いた足を再び着地させた。
「あ………レコン」
「ひ、ひどいよ。一言かけてから出発してもいいじゃない」
「ごめーん、忘れてた」
がくりと肩を落としたレコンは、気を取り直したように顔を上げるといつになく真剣な顔で言った。
「リーファちゃん、パーティー抜けたんだって?」
「ん………。その場の勢い半分だけどね。あんたはどうするの?」
「決まってるじゃない。この剣はリーファちゃんだけに捧げてるんだから……」
「えー、別にいらない」
リーファの言葉にレコンはよろけたが、この程度でメゲるような彼ではない。
よくメゲないなぁ、とレン達一同は思った
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