俺の妹がこんなに天才のわけがない
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
宇宙暦802年/帝国暦493年。
銀河を統一し(といっても勢力範囲はオリオン腕の8、9割とペルセウス腕の一部だが)発展の極みにある銀河帝国であったが、何の問題も無いというわけではなかった。
リップシュタット戦役終了後、アドルフが権力を握ってから平民たちの地位は以前より高まりつつあったが、自由惑星同盟を併合したことによりその流れはより大きくなりつつあった。
そうなれば、それを快く思わない者も出てくるのは必然と言えるだろう。
結果、そういった者の一人であるリンド伯爵が反乱を起こした。
その反乱の鎮圧に、ある提督が任命された。
名をマリナ・フォン・ハプスブルク。
銀河帝国38代皇帝アドルフ1世の実の妹であった。
* * *
<マリナ>
私の名は、マリナ・フォン・ハプスブルク。
歳は22歳。
銀河帝国ハプスブルク大公家の長女よ。
ま、私が生まれた時はまだ公爵家だったけどね。
兄貴は、銀河帝国38代皇帝アドルフ1世。
あの兄貴が皇帝って……プッw
流石にこれは無いわw
だってあの兄貴よ!
部屋で前世がどうたらこうたら一人で呟いてるあの兄貴よ!
エロゲのサイト見ながら『発売延期!?……orz』てやってるあの兄貴よ!
最初に聞いた時は何かの間違いかと思ったもの。
世も末よね。
・・・・・
つい先日、何をとち狂ったのかリンド伯とか言う門閥貴族の一人が反乱を起こした。
今更反乱を起こしたところで結果がどうなるか分からないのかしら?
だとしたら兄貴以上のバカよね。
ま、そんな訳で私が5000隻の艦艇を率いて討伐に向かってるってわけ。
私の階級?
中将よ。
旗艦は戦艦ブリュンヒルデ。
前に兄貴が宇宙艦隊の総旗艦として乗ってた艦だけど、私が(強引に)譲り受けた。
同盟が滅びて銀河が帝国によって統一された今、港に係留されてるだけだしね。
なら、私が有効利用してあげないと。
美しい白亜の艦。
故ラインハルト元帥が同型艦のブリュンヒルトを愛した理由が分かるわ。
ほんと、兄貴には勿体無い艦だったわよね。
兄貴のやつ、この艦を痛艦に改造してたのよ、信じられない!
あんまりムカついたからボコッてやったわ!
この艦を私にくれたときの、あのニヤニヤした笑いを堪える顔ときたら……。
思い出すだけで腹が立つわね。
帰ったらもう一度ボコッてやりましょうか。
それと、今のこの艦の艦長はメデューサ・フォン・ライドゥルン中佐。
なんか兄貴が『ライダー萌え〜。おっ持ち帰り〜!』とか言って連れ去ろうとしてたけど、優秀な人だからなんとか阻止したわ。
私の一撃で兄貴の腕が有り得ない方向に曲がってた気がするけど……気のせいよね。
私は
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ