俺の妹がこんなに天才のわけがない
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何も見なかったわ。
「ハプスブルク中将、敵艦隊を発見しました。数、3000」
3000隻って……たったそれだけで反乱起こして成功すると思ったわけ?
帝国の宇宙艦隊は20万隻以上いるのよ。
バカなの?
脳ミソ腐ってるの?
何で生きてるの?
兄貴の劣化版?
それとも、兄貴の(脳の)病気がうつった?
私にだけはうつさないでほしいわね。
まあ、どうでもいいわ。
何にせよ、汚物は早く消毒しないとね。
「全艦攻撃開始。敵は数でこちらに劣っているわ、蹴散らしなさい!」
こちらの砲撃に堪えかねて敵は後退する。
数においてこちらが勝ってるから当然と言えば当然なんだけどね。
あ〜あ、手応えの無い消化試合になりそうだわ。
「こ、後方に敵! 数5000。これは………」
「ふーん、さすがに一人で反乱を起こすほど無謀じゃ無かったということね……どちらにせよ結果は変わらないけど。まあいいわ、前の敵を突破した後改めて蹴散らしてあげる。全艦、紡錘陣形をとって敵の中央を突破よ!」
私の艦隊は敵中央を突破した後、陣形を再編する。
その間に、敵は増援と合流した。
これで、敵は約7500。
対する私の艦隊は5000弱。
「兵力差は多少こちらが不利だけど……あの程度なら問題無さそうね」
「は?」
「敵の連携は円滑とは言い難いわ。そこを突いて切り崩すとしましょう」
思った通り、敵は連携が上手くいってない。
最初こそ一応連携が取れていたものの、中々優勢にならない戦況に我慢できなくなったのか、徐々に乱れてきている。
「今よ、敵の両翼を砕きましょう。ゲルマン砲発射!」
ハプスブルク領から密かに(勝手に)持ち出したゲルマン砲2門。
持ってきておいて良かったわ。
残った敵中央も集中砲火を浴びてのた打ち回っていて、もはや集団として機能していない。
その上、逃亡艦もでている。
これで戦局は決したわね。
「敵軍、戦線崩壊の模様」
「当然ね。そうなるように動いたもの」
「敵旗艦オートマルク、及びクレインレンツ、パルメロンの撃沈を確認」
「そう、ならこれ以上の戦闘は無用ね。降伏勧告を出しなさい」
* * *
リンド伯爵、カビッツ子爵、ポルド子爵の首謀者3名を失ったことにより、反乱は収束。
彼らの所有していた領地は没収され、直轄領へと編入された。
マリナ・フォン・ハプスブルクは、この反乱鎮圧の功績により大将へ昇進。
約8000隻の艦隊を任せられることになった。
銀河帝国皇帝アドルフ1世の妹マリナ・フォン・ハプスブルク。
彼女は(兄と違って)天才であった。
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