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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十話 消えがたき心
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アナ、ノーヴェが気がつき、反射的に叫びかけた。
「ルーちゃん駄……!」
「え……」
「……っ!さわんなっ!!!!」
突如、凄まじいフピードで振りきられたクラナの腕が、ルーテシアを弾き飛ばした。
クラナ自身に取ってすら殆ど無意識に行われたそれは、一度だけヴィヴィオにも起こった事。
突然強引な、そしてかなりの力で弾かれたルーテシアは、そのまま地面へと倒れ込み……
「っと!」
その背中を地面の石に打ち付ける寸前で、ライノにその体を受け止められた。
「…………」
「…………っ」
倒れ込んだルーテシアが見上げた先で、彼女とクラナと目が合った。瞬間、ルーテシアは凍りついた。
まるで、視線だけで相手を凍てつかせ、恐怖だけを埋め込む事を目的としているかのような、憎悪と殺意に満ちた瞳。今までに見て来たどんな人間からも感じなかった。ただただ、自分が消えることだけを願っているかのような、真っ黒な瞳。
体がギシリと氷の軋むような音を立てて、思考が停止する。そしてその瞳の中にルーテシアの意識が吸いこまれて行き……
「あははははは!!」
突然、おかしな程明るい声がその冷たい空気を切り裂いた。
いつの間にかルーテシアを地面に着地させた、ライノだった。
「いやー!何か此奴長旅でイラついてるっぽくて!!すみません、少し森の方でリラックスしてきますね!ノーヴェさん、良いですよね!?」
「あ?あぁ」
「すみません!クラナ!オイほら行くぞ!!」
「……あ……え?あ、え?」
「ほら!早く来いっ!!」
後半は半ば怒ったような口調でまくし立て、首根っこを掴んでそう言ったライノは引きずるようにしてクラナを連れ去って行く、その様子をルーテシアは……否、その場にいた全ての人物は、ただ茫然と眺めているしかなかった。
――――
何やらウォーロックから案内を受けながら進んでいるライノに引きずられながら、クラナは歩いて居た。
「ら、ライノ!わかった、もう良いって……!」
「うるせぇ、ちっと頭……冷やせっ!」
「わっ!?」
ブンッ!と音を立てて、ライノはクラナを背負い投げの要領で投げ飛ばした。下を見ると……其処は水の上。咄嗟に、持っていた鞄を吊り下げてあったアルごとライノの方に投げる。放物線を描いて飛んできたそれを受け止めながら、ライノは小さく呟く。
「ナイス判断」
言い終わるより先にバッシャァァン!!と派手な水音を立てて、クラナは水没した。
――――
同じ頃、クラナとライノが居なくなり、少し暗い雰囲気となった他のメンバー達は少し人数を増やして黙り込んでいた。
増えたメンバーと言うのは、なのは達と同様、元六課メンバーである召喚師のキャロ・ル・ルシエ
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