暁 〜小説投稿サイト〜
剣の丘に花は咲く 
第一章 土くれのフーケ
第一話 召喚〜赤い男〜
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「ミス・タバサっ、風竜で急いで彼を学院まで送りなさいっ!ミス・モンモランシは一緒に風竜に乗っ
て治療をしてくださいっ!」

 常にないコルベールの行動に、周囲の少年少女達は驚いたが、反論することなく指示に従って行動を始めた。

「コルベール先生っ、私も一緒にっ!」

 赤く血に染まった男を、風竜の背に乗せているコルベールに対し、ルイズは言い募った。

「こいつは私の使い魔ですっ!一緒に連れて行ってくださいっ!!」

 ルイズの必死の訴えに、断る理由は多々あるが、また、断らなければらない理由もないことからコルベールは、

「分かりました、しかし邪魔にならないようにしなさい」

 最低限の注意を言った後、許可を出した。

「ありがとうございますっ」

 ルイズはコルベールに礼を言いながら、タバサの使い魔である風竜に乗り込んでいった。

「ミス・タバサもありがとう」
「別にいい」

 先に乗り込んでいた風竜の主であるタバサに礼を言うが、タバサは感情に乏しい声でその礼に答え、

「モンモランシーもありがとう」
「後で治療代は貰うわよ」

 モンモランシーは、血に染まった男を必死に治療しながら答えた。
 ルイズは学院に向かって飛んでいる風竜の背に乗りながら、赤く染まった男を見つめる。

 平民?でも騎士のような格好をしている。それに微かに魔力が感じられるし……貴族?

 治療されている赤く染まった男を見ながらルイズは考え込む。

 いったい……何者なんだろう……?

 男の正体を色々と想像しながらも、やはり一番強く思うのは、

 せっかく召喚したんだからっ!絶対に死ぬんじゃないわよっ!

 男の無事であった。
 


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