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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第二巻
【第六十六話】
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を引きつらせ、美冬は二人を落ち着かせようとはしているものの、二人には届いていなかった。
「何?やるの?わざわざドイツきんだりからやってきてボコられたいなんて大したマゾっぷりね。それともジャガイモ農場じゃそういうのが流行ってんの?」
「あらあら鈴さん、此方の方はどうも言語をお持ちでないようですから、あまりいじめるのはかわいそうですわよ?犬だってまだワンと言いますのに」
「鈴もセシリアも落ち着いてってば。同じ学年で仲間なんだし…ね?ボーデヴィッヒさんも、そんな物言いはやめよう?」
何とか三人を落ち着かせようとしている美冬だが、既にセシリア、鈴はラウラの見下すかのような目付きに不快感を抱いていた。
「はっ……。二人がかりで量産機に負ける程度の力量しか持たぬものが専用機持ちとはな。よほど人材不足と見える。数くらいしか能のない国と、古いだけが取り柄の国はな」
そのラウラの挑発とも言える言葉に、鈴とセシリアは装備の最終安全装置を外す――が。
「ちょっとボーデヴィッヒさんっ!!今のは酷いんじゃないっ!?誰もやられたくてやられた訳じゃないんだしっ!!」
仁王立ちで割って入る美冬、その表情は明らかに怒っていた。
「ふん。貴様…あの男の妹だったな。――あの男も甘かったが、貴様も相当甘いようだな。仲良く友情ごっこか?」
「なっ……!?――わかったわ。流石の私も今の発言は許せない!友情ごっこなんかじゃないんだからっ!!二人とも大事な友達なんだからっ!!――セシリア、鈴、誰が先にやるかじゃんけんよ」
「…いいわよ。どっちでもアタシはいいわよ」
「ええ、そうですわね。わたくしとしてはどちらでもいいのですが――」
「はっ!三人がかりで来たらどうだ?一をいくら足しても一ずつしか増えん。下らん種馬を取り合うようなメス達にその種馬の妹相手に、この私が負けるものか」
明らかな挑発で、堪忍袋の緒が切れた二人にはどうでもよく、美冬もその発言に完全に怒っていた。
「――今なんて言った?あたしの耳には『どうぞ好きなだけ殴ってください』って聞こえたけど?」
「場にいない人間の侮辱までするとは、同じ欧州連合の候補生として恥ずかしい限りですわ。その軽口、二度と叩けぬようにここで叩いておきましょう」
「私の悪口はいくら言っても構わないよ?――でもさ、友達や兄を悪く言われて黙ってられるほど…私は心が広くないんだ」
得物を握りしめる手にきつく力を込める三人、それを冷ややかな視線で流したラウラ。
――そしてラウラは僅かに両手を広げると、自分側に向けて振った。
「とっとと来い」
「「上等!!」」
「友達や兄を悪く言った事――後悔させてあげるか
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