護堂とエリカと
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女は、正真正銘、地の位を極めた最高レベルの魔女よ。彼女と同等の魔女なんて、それこそ世界でも数人いるかいないか。魔術業界では、常識レベルの問題よ?」
「は・・・?ま、魔術?魔女?・・・・・・何言ってるんだ・・・?」
「貴方も見たでしょう?体験したでしょう?私の手に突然出現した剣。なんの前触れもなく、唐突に起こった爆発。あれらは全て、神秘により起こった現象よ。」
そう言いながら、エリカは病室に飾ってある花を一本掴むと、小さな声で呪文を呟く。
「な・・・・・・!」
その瞬間、花は見る見るうちに蕾になり、縮んでいき、最後には種に戻った。まるで、ビデオを高速で逆再生しているかのような光景。護堂は、今見たものが信じられずに見つめている。
「これが魔術。光が有れば影が出来るように、世界の裏側に存在する法則。これを使用する者たちを魔術師と呼び、その中でも特別な才能を持つ者を魔女と呼ぶの。貴方の探しているルクレチア・ゾラは、その魔女の中でも最高峰の一人よ。」
花を花瓶に戻し、もう一度呪文を呟く。すると、種まで戻った筈の花が、急成長していく。マジックというには奇怪すぎるこの光景を魅せられて、護堂は溜息を吐いた。
「・・・別に、世の中の全てを知っているなんて言うつもりは無かったけど・・・俺の知らない事なんて、まだまだ転がっているんだな。」
「そうよ。・・・まぁ、一般人が偶発的に魔術に関わる、考えられる状況の中で、貴方は最悪のルートに突っ込んでいるからね。同情はしてあげるわ。何処かのカルト教団に拉致されて、儀式の生贄になるくらいにはヤバイ事柄に、ね。」
「は?・・・俺は、一体何に巻き込まれたんだ・・・!?」
拉致されて生贄になるのと同じくらいヤバイって、一体どういう状況なんだと問い詰める護堂。因みに、今の護堂の脳裏では、インディーでジョーンズな、世界的に有名すぎる映画の一部分が上映されていた。その映画では、カルトの生贄となった哀れな人間は、心臓を抜き取られて溶岩に突き落とされるのだ。
♪テ〜レレッテ〜テッレレ〜♪
「まつろわぬ神。私たちはそう呼んでいるわ。本当に宗教的な意味での『神』かどうかは、私たちにも分からないのだけど・・・。」
―――少女説明中―――
エリカは、まつろわぬ神についての、大まかな情報を護堂に話した。
「・・・つまり、何だ?意思を持った災害が、世界各地で好きに暴れまわるってことか?」
「ただの災害なら、どれだけいいか。結構頻繁に現れるのよ彼らは。そして、好きな時に好きなだけ、好きな場所で暴れるの。地形やその地域の天候が変わるなんて普通だし、そこの生物が全滅したりというのも珍しくないわ。人なんてゴミか石ころ程度にしか思っていないから、踏み
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