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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
それぞれのマスターたち
穂群原学園(T) 〜夢跡〜
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応も踏まえてのさっきの発言か?
鮮やかな手並みだ。
見事に作戦に嵌まっちまったよ。
「ちょっ、ばッ…………」
ガッチリとホールドされた顔。
そのまま凛の瞳が俺の瞳をロックする。
間近で見る凛の顔に、今朝夢で見た彼女の快楽に蕩けた表情が想起される。
頭に血が昇っていくのを感じる。
きっと俺は誰の目にも明らかなほどに、顔を赤らめてしまっていることだろう。
「なんだか顔が赤いけど……あんたも体調崩してるの?」
「違ぇよ。朝練してきたから、まだ体が温まってるだけだろ」
「ふぅん」
しかしそこはそれ。
今までの経験と学習から、サラッと対処するだけの技術は身に付けている。
けどキレイに受け流したはいいが、この状態はマズイのではないだろうか。
周りに人目はないし実際に見られても問題はないが、ただ一点、俺の後ろから見た場合はきっと────
「よっ。黎慈、とおさ、か────」
背後から士郎の声。
俺を見つけて挨拶したら凛の姿も見えて挨拶しようとして。
俺の身体で隠れる凛が何をしているのか、連想ゲームばりにそのことに思い至ったのだろう。
こちらを見る士郎は時が止まったかのように石化している。
「………………」
そんな士郎を睨み付ける凛。
恐らく素人のくせにサーヴァントも連れずに出歩いていること。
暢気に敵であるはずの自分達に声をかけてきたことに憤っているのだろうが、たぶん士郎からすれば…………
(俺との
ある行為
(
・・・・
)
を邪魔されて怒ってるように見えてるんだろうな)
なんという悲しい、認識の擦れ違い。
しかも二人とも誤解し合ったまま、各々の教室に入っていく。
まさかとは思うが、この誤解を解くのは俺の仕事だというのだろうか。
「面倒にもほどがあるだろ…………」
廊下で一人項垂れたまま、俺は授業開始のチャイムを聞いていた。
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