暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第一部
それぞれのマスターたち
穂群原学園(T) 〜夢跡〜
[5/6]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
たまえよチミたち。俺の前で決闘の取り付けなんかしないでね」
証人になるのも見届け人になるのも真っ平ごめんだ。
だけど、出来ればダブルKOというか、共倒れしてくれればこちらの都合がいいというかですね。
「それなら、早く元気になりなさい。今だってちょっとしんどそうだし」
「まあね、認めたくないけどちょっとキツいわ」
「話はまたいくらでも出来るんだから、今日のところはお開きにしましょ」
言って、教室に帰るよう促す凛。
逆らっても仕方ないと判断したか、美綴も大人しく教室に戻っていった。
「ねえ、綾子に何かあったの?」
美綴が教室に入ってから、凛は静かに問いかけてきた。
状況的に見て美綴の様子がおかしいのと、俺が何か知っているであろうことを察知したのだろう。
その洞察力と観察眼はさすがだ。
「ちょっとな。どっかのサーヴァントにライフドレイン食らったみたいで、衰弱してたのさ」
「そのマスター、一般人に手を出したのね……それで、相手は?」
「逃げられた。美綴を放置していけば追跡できたかもしれんがな」
「そう。それじゃあ、貴方を責められないわね。私も同じ判断をしたでしょうし」
「そりゃどうも」
敵を追うより人命救助に手を尽くす。
既に手遅れだったならまだしも、助かる命を放棄してまで戦いを優先させる理由はないはずだ。
またいずれ戦う機会がある相手と、今その時にしか助けられない命なら後者を選ぶというだけ。
けれども助けるべき相手とそうじゃない相手、助けるべきときとそうじゃないときはある。
時には見捨てたり、放っておくことも必要で、その判断にシビアさを持てなければ戦うことなどできない。
俺と程度の違いはあっても、そういった線引きは凛もしているのだろう。
「ねえ、何でさっきからそんなに挙動不審なの?」
「え゛?」
「綾子が居たときからだけど、一度も目を合わせようとしないじゃない」
あはー、やっぱりバレてますよねー。
人と話すときは相手の目を見て話すというごく普通の礼儀。
それが一度も目を合わせていなかったら、不審に思うのも無理ないことだ。
怪訝な目をしながら、こちらの顔を覗き込もうとする。
「…………ちょっと、何で顔を背けるの」
「いや、凛のそんな可愛い顔に見つめられたら緊張するだろ」
「冗談は顔だけにして。いつもはちゃんと向き合ってるでしょ」
「テメェ、顔が冗談ってなんだよ。自画自賛覚悟で言うなら、中の上くらいの顔はしてるだろ」
「だったら、ちょっと確認させてもらうわね」
途端、ガシッと顔を掴まれる。
そのままギギギと万力のような圧力で首を曲げられた。
まさかこうすることを考えて、俺の反
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ