暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第一部
それぞれのマスターたち
穂群原学園(T) 〜夢跡〜
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に呪を刻まれたかもしれない。
こちらの考えの裏を掻く、感心するほどの手際だ。
本来なら敵地にわざわざ結界を修復しに来るリスクを考えると、少しの間は放置をすると思ったが間違いだったらしい。
想像するに難くないが、さぞかし凛もご立腹なさることだろう。
「今は仕方がない……朝練行くか」
(何か指示はある、マスター?)
(いや、特にはないよ。作戦会議も学校終わってからにしよう。自由行動で構わん)
最低限の方針だけ告げて、俺は部活に向かった。
早々に切り上げて、校舎内へ。
ぼちぼちと教室に向かっていると、見知った顔があった。
(う……美綴と凛。今は顔を合わせたくないなぁ)
廊下で立ち話をしている。
二人の仲が良いのは知られたことなので問題ないのだが…………
個人的な事情から、今日はあのみつりんコンビとニアミスするのはちょっと避けたかった。
しかし昨日の今日で登校してきている美綴の体調は心配だし、凛と結界について話したいこともある。
どうしたものか──────
「あ、クロじゃない。そんなとこで突っ立って何してんの?」
何をどうすることもなく、俺は見つかってしまいました。
そういえば廊下には障害物が何もありませんでしたね。
それは実に誤算でした。
「いや、穂群原学園二年が誇る美女コンビが、何やってんだろーと思いまして」
「なんでもない世間話よ。黒守くんも混ざる?」
「うん、混ざって問題ないのなら」
ここで無碍に断るのもおかしいので、自然と会話に加わる。
視線だけは必死にずらしながら。
そして美女コンビという揶揄に何の反応も示さないあたり、二人の恐ろしさが垣間見える。
「美綴、体は大丈夫なのか?」
「ん? ああ、普通に動いてる分には問題ないよ。さすがに朝練は休ませてもらったけどね」
「そうか。体調管理には気を付けろよ」
「いつも気を付けてるつもりなんだけどねぇ。季節の変わり目に少し気を抜いたかな」
話をしている限りでは、身体に異常はなさそうだ。
これで心配の種は一つ減った。
顔が少し赤いのは弱った体を回復すべく、代謝が活発化しているからか。
だがその朱が差した表情を見ていると、いやでも夢の内容が思い出されてしまう。
極力、彼女の顔を見ないようにする。
「遠坂はそのへん、大丈夫なのか?」
「えぇ。生憎と、簡単に風邪をひくような柔な鍛え方はしていませんので」
「待ちな遠坂。それだと体調崩してる私が軟弱みたいじゃないか」
「あら、そう言ったつもりはありませんでしたけど、そう聞こえちゃいました?」
「いい度胸ね。体が治ったら一勝負いくかい?」
「あー待ち
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