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FULL魔法ブリッツ学園〜魔法使「えな」い〜
むしろ今からが2度目な気がする
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きり机の下で震えているのかと思いましたわ」

 こいつ、業とか? いや、辻が知っているなら、俺は即死している。

「まさかだよ」

「では麻義ーしんじはブリッツにいるのですね」

 何で中学校の時のあだ名をお前が知ってんだよ。お前、辻ぺディアかよ。

「さっきからユニークなミドルネームだね」

「麻義ーに関しては、魔法が使えない苦しまぎれに、手品を披露したからだとか」

「君はなんでも知ってるね」

「なんでもは知りません。知ってることだけ」

 なるほど辻キャットんの方だったか。長らくの社交辞令と会話をひとしきり終えると、辻は退室の言葉を口にした。

「では、失礼します」

「うむ。模範となるように努めてくれたまえ」

 辻は、ドアを置けると思い出したように言葉を付け足す。

「あ、そうそう。刺客を送るとお伝えください」

 その言葉を残し、「ごきげんよう」と扉を閉めた。とても穏やかな話ではなかった。どちらかと言うと、身震いさえしてしまいそうな内容を、通勤ラッシュのように畳み掛けられた。怖いの意味のベクトルが七割がたは違うけどな。

「ってか。さっきのやり取りは、なんですか?」

「気にするな」

「気になります」

「気になるな。ただの世間話だ。悪意はない」

 その顔、悪意に満ちてますが……。

「ところで刺客って刺す客のことですよね」

「そうそう、君の命日は来年の今頃だね」

 縁起でもない。しかも刺客が来るのに、のこのことブリッツ学園に行くとかどこのドMだよ。

「そうと決まればすぐ行きなさい」

「いやです」

 無理やり背中を押して、校長室から叩き出されそうになったので、ドアノブにしがみついた。

「絶対?」

「絶対!!」

 突然、校長は俺から手を離して、嫌な笑いを浮かべた。

「ばらすよ」

「えっ!? 何をです?」

 もう一度、不敵な笑みを浮かべ懐から、とある写真を取り出した。これは一言で言うなら黒歴史っ!!

「ばーらーすーよー」

 仕方なく、本当に仕方なく、この言葉が似合うほど仕方なく。俺はため息の後で、校長室を後にした。

 
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