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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第二巻
【第六十三話】
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て――」


そうシャルルが言い、選んだ場所は何とクローゼットだった。


「そ、それじゃ間女じゃねえかっ。ベッドに横になって体調の悪いフリをすればいいだろっ」

「あ、ああっ、そっか!」


布団を捲り、シャルルに入るように促すと直ぐ様ベッドに入り、布団を上から掛けたその時――ドアが開く音が響いた。


「……セシリア、返事も待たずに入るのはどうかと思うが?」

「……何をしていますの?」


絵的にはベッドに飛び込んだシャルルに上から布団をかける形で俺が乗っかっている状態だ。

ドアを開けたらそこにいる住人が布団の上に覆い被さっているのだから、それは不思議――または珍妙な光景だっただろう。

それを証明するかのように明らかにセシリアは訝しげな表情をしていた。


「……シャルルが体調悪いって言うから今布団をかけてたんだよ。それ以外にどう見えるんだ?」


「……。日本では病人の上に覆い被さる治療法でもあるのかしら?わたくしには今の光景は……信じられませんが――ヒルトさんがデュノアさんを襲ってるようにしか見えないのですが…」


――だよな、下手したらBLに見えなくもない体勢だし。


「……俺が男を襲うと思うかセシリア?」

「そ、そうは思いませんが……その、体勢が……」

「……まあ勘違いしてしまう体勢だよな。――とにかく、シャルルは体調が悪いからこのまま寝てるって。だから夕食はいらないみたいだし、俺一人で行こうって話をしながら布団をかけてたんだ」

「そ、そうそう」


布団の中からくぐもったシャルルの声が聞こえるが、その声はあまり調子の悪そうな声ではなく、内心ひやひやしている。


「ご、ごほっごほっ」


更にわざとらしい咳まで出し始めた。

これは流石にセシリアも疑う――。



「あ、あら、そうですの?ではわたくしもちょうど夕食はまだですし、ご一緒しましょう。ええ、ええ、珍しい偶然もあったものです」


――いや、まずシャルルの咳の不自然さを突っ込めよ!

……何て思うのだが、セシリアに取ってはたいした問題ではないのだろう、俺と一緒に食事をとるという事で頭がいっぱいのようだ。


「ごほっごほっ。そ、それじゃあごゆっくり」

「あぁ、部屋に鍵かけとくからな?」

「デュノアさん、御大事に。――ではヒルトさん、参りましょう」


自然な形で俺の腕を取ると、そのまま体を密着させてきた。

……何か四月にもこんなことあった気がするな。


そのままセシリアと部屋を出、ドアに鍵をかけると共に廊下を歩いて食堂に向かう階段を降りていくと――。


「あ、ヒルト。――セシリア、何をしてるの?」


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