§33 類は友を呼ぶ?
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「……良い知らせからお願いします」
どうせ落胆するのが目に見えているのだ。ならば良い知らせから行こう。
「黎斗さんにお客様がお見えです」
「は?」
意味が分からない。来客が良い知らせ?
「どういうことですか?」
良い客か悪い客かどうやって判別したのだろうか。というより、何故甘粕が黎斗宛の来客を把握しているのだろう?
「次に悪い知らせですが」
「ちょ」
強引に話題が切り替わる。良い知らせと銘打っておきながら甘粕自身もあまり良い知らせとは思っていなかったのか、などと少々場違いな事を考えていた黎斗の思考は、
「黎斗さんのアパート、全壊しました」
「はぁああああああああああああああああ!!!!???」
甘粕の発言に、理性を全て削り取られた。携帯に向かって唾を飛ばし猛反論。
「ちょっとちょっと、意味わからないよなんだよそれ!?」
あのアパートに住んでいるのは黎斗達だけだ。おまけに留守にしていたから人的被害は皆無だろうが、そういう問題ではない。あそこには黎斗が必死に溜めてきた、ライトノベルに各種コミック、PCゲームに携帯ゲームといった黎斗のお宝が眠っていたのだ。それが、全壊。
「全壊って何だよそれ!?」
発狂する黎斗を周囲がドン引きした目で見ているが、生憎構っている暇はない。
「来客者の方と草薙さんが戦われまして、その余波で……」
「ごどぉー!!! あんの人でなしぃぃぃ!!!」
往来の真ん中で親友に叫ぶ。
「ママー、あのお兄ちゃん変だよー」
「シッ!! 見ちゃいけません」
「……マスター、周囲からの視線が痛すぎます」
打ちひしがれる黎斗に向かって、無垢な幼児が追撃をかける。
「黎斗さーん? 大丈夫ですか?」
「大丈夫なワケないじゃん……」
流石に屋外でこれ以上の暴走は出来ない。しっかりと理性を保たねば。SAN値の貯蔵は十分だ。
「続けますよ?」
「……お願いします」
現実をまずは把握しよう。
「私たちも事態を把握したのはつい先程なのですが」
前置きをして語り始める甘粕。その内容に唖然とする。
「僕の知り合いを名乗る魔王サマがアパートに襲来。反町達とモメてるところに護堂見参、その魔王サマと交戦。苦戦しつつも相討ちに持ち込む。んで、その際の主戦場が僕の家、と」
突っ込みどころしかない。
「わけがわからないよ…… 僕にカンピオーネの知り合いなんかいないぞ。ヴォバン侯爵や剣の王はお会いした記憶はあるけれど」
彼らがわざわざアパートに訪問に来るなんてありえない。
「
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