§31 鬼と人と
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「よくやった……」
最後にそう聞こえた気が、した。
「うぇっ、ペッ…… うぅ……口に泥が……」
視界を焼く閃光に目を閉じて歯を食いしばったのが運の尽き。爆風によろめき開いた口に飛ばされてきた土が入っていく。
「おぇえ…… ゼロ距離は流石に問題ありまくりか」
気を取り直し周囲の状況を伺ってみれば、黎斗と酒呑童子が激戦を繰り広げた場を除くと、大津波に全て薙ぎ払われたのか草の根一つ残ってはいない。
「随分見晴らしがよくなったなぁ……」
「派手にやりましたね、マスター……」
影から頭だけだしたエルが、周囲を見回し呆れて言った。
「大将相手に加減なんか出来ませんー。さて、せっかくだから茨木童子に挨拶したらそのまま観光して帰りますかね。反町達ににしんそば買ってこい言われてるから京都の土産物屋に寄らなきゃだし。……にしんそば売ってるかなんてわかんないけど」
巨大なクレーターとなった跡地に石を積み上げる。まるで賽の河原のように。軽く祈ってから黎斗は去った。再び顕現した時は戦わなくて良いように願って。
そして。
「ふむ。奴と再戦前の景気付けにちょうど良い。光栄に思え。魔女王、貴様の思惑に乗ってやる。その神、狩ってくれるわ」
「ふふふ。それでは私はこれで失礼致します」
東欧の老王、動く。
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