§30 鬼の王と正道邪道
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いぶたい))の出番も遥かに減ってみんなニッコリの幸せな未来だ。引き籠りライフも万全になる。
「いずれは聖絶の言霊もよく調べなおして対神殺傷能力上げた改良版も作りたいもんだねぇ。僕に出来るとは思えないけど。それが出来れば更に引き籠ってられる。……まぁカンピ量産時代になっても困るけど。ハメを外した同族狩りやる事態になりかねん」
某灼眼の少女みたいな役など面倒くさくて真っ平御免だ。
「戦の最中に考え事とは余裕だなぁ坊主!!」
殺気に思わず振り向けばいつの間に接近していたのであろう、酒呑童子が鉄棒を振るうのが視界に写った。
「いっ!!?」
???間に合わない!!
「死ぬがよい」
黎斗の行動より早く、釘バットのような形をした鉄棒が、黎斗を遥か彼方へ吹き飛ばす。
「マスター!?」
あらかた雑魚を掃討したエルが絶叫を上げた。初となる従者の悲鳴と共に、古の魔王は再生を遂げる。
「っはー……やってくれ??」
言葉は長く、続かない。その脚力はどれほどのものか。復活中に再び襲ってくる衝撃。再生しきる前に、再び黎斗は塵となって飛ばされる。残骸が大地に激突する瞬間に、接近した酒呑童子の殴打が再び黎斗を粉砕する。
「ちょ……!?」
言ってるそばから、また砕かれる。砕いて飛ばされた残骸に、空中で追いついて、再生し始めたところで再び砕き飛ばす。これが一瞬の間に十も二十も繰り返される。
「ま−−−−」
再生が、間に合わない。一秒でもあれば完全復活出来るのだが、その一秒が遠い。一秒の隙を許すほど酒呑童子は甘くない。攻撃を受けつつも事態が把握できるのは黎斗くらいのものだろう。傍から見れば超高速で勝手にあちこち飛び回る物体が、集合とミンチを繰り返しているのだ。周囲から見てそれなのだから、普通ならば当人に理解できるはずもない。まして目玉が飛び散る状況下で視覚が使い物にならないのだから尚更だ。もっとも、こんな状況になる前に普通は死亡しているだろうが。
(抜け出せない。このままだとジリ貧か……)
辛うじて思考は出来るが、それだけだ。鉄棒を受け止めようにも黎斗の腕力では強化しても受け止めきれず、粉砕される結果は変わらない。そもそも腕が再生する前に砕かれる。
(ワイヤー引きちぎるとか大将の力ってバカだろ絶対)
まずは体勢を整えたい。酒呑童子の勢いを一瞬でも殺せればなんとかなるのだ。その一瞬を殺すために色々手は打った。ワイヤーを足元にしかけるも、彼の前に意味は無く。植物で襲うも、やはり意味は無かった。鬼王の圧倒的な肉体の前では、並大抵の権能や魔術など無いも同然。受け止める、というのは最終手段なのだ。
(マズったなおい……ホントにこりゃ死ぬぞ。しょうがない
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