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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第二巻
【第五十四話】
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「えっ!?そ、その…二人きりで教えてくださるのですかっ!?」
そう目をキラキラさせ、ぐいぐい近づいてくるセシリアに若干引きながらも――。
「あ、あぁ。セシリアの都合に合わせるから」
「わ、わかりましたわ。では…都合の良い日に連絡いたします♪」
流石にあの味では……作ってくれるのは有り難いが、食べる側としてはやはり食べれる範囲じゃないとな――。
「ええと、本当に僕が同席して良かったのかな?」
織斑の隣でシャルルがそう言う。
――シャルルはとても遠慮深い、そこはプラスでもあり、マイナスでもあると俺は思う。
――先ほど、三人目の男子争奪戦とばかりに一組には各学年の女子が大挙して押し寄せたのだが、シャルルの人柄か、或いは貴公子だからかは解らないが丁寧な対応でお引き取り願っていた。
女子一同はそのシャルルの姿にそれ以上強くアピールするのが逆に恥ずかしくなったのか、皆嬉しいような困ったような顔をして引き上げていった。
そんなシャルルの言った台詞は――。
『僕のようなもののために咲き誇る花の一時を奪うことは出来ません。こうして甘い芳香に包まれているだけで、もう既に酔ってしまいそうなのですから』
――俺には絶対に言えん台詞だ。
そして何より嫌味っぽくなく、本当にそう思っているという感じの態度が凄く、何より堂々とした雰囲気の中にある儚げな印象が、その言葉の輝きを際立たせている。
それでいて、何処か優しいというのが更に良かったのか、手を握られていた三年の先輩は失神していた。
その後は購買に行ったため解らないが、織斑が誘ったのだろう。
そのついでに鈴音も誘ったかついてきたかのどっちかだな。
セシリアは美冬と未来が誘ったと思うが。
まあ代表候補生同士で話に花が咲くといいが。
――因みに、俺と織斑は代表候補生ではない。
男なのでアラスカ協定の規則事項に触れてるのか触れてないのかが解らないので、国際間で審議してるらしいが――まあ俺は落とされて織斑が候補生になりそうだがな。
結局専用機も、サンプルのデータ収集的な意味合いもあるだろうが――俺のは母さんオリジナルのIS、資金面の援助に『F.L.A.G.』と呼ばれる財団が協力したのだろう。
――織斑は専用機貰えたのを喜んでいたが、俺自身は別に訓練機でも良かったりと思ったが……素直に母さんが用意したのを喜ぶべきだろう。
――そんなことを考えている間に、未来が帰ってきていた。
とりあえず、腹も減ったし食べるかね……。
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