ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
月下の開戦
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った」
「次に死銃ともう1人の相手はお前だ、キリト。最初は足止めでいい。敵を排除したシノンはこれを援護してくれ」
キリトとシノンは無言で頷き、キリトが片眉を上げて訊ねた。
「レイ、お前はどうするんだ?」
「死銃の殺しの仕組みが判った以上、護衛は要らないだろ?俺は《レギオン》を止める」
「はぁ!?」
キリトが思わず声を上げ、向き直ったシノンまでも目を見開く。
「考えてもみろよ。1000体の敵を構いながら元ラフコフを2人やれるか?もう予告の時間まで5分ちょっとだ。それまでに倒すのは無理くさくないか?」
「だからって……。それこそ1000対1だぞ……どれだけ止められるんだ?」
「……さぁな。やったことないし。ま、10分と見とけ」
それでもなお、超人的な数値を口にしたレイは暗い洞窟の中で不敵に笑って見せた。
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その後、中継カメラに一部始終(俺がシノンをナデナデし、キリトと引っ付いている場面)を撮られていたことが判明し、3人揃って愕然としたが、落ち込んでいる時間はなかった。
2人と別れ、レイは月光の照らす砂漠を地図上で北上していた。
やがて、小高い岩山を見つけると、そこに登り、静かに目を閉じた。
後方200m程には先程まで隠れていた洞窟、その上の岩山のてっぺんにシノンが狙撃体制に入っている。スキャンで確認できた敵影は《闇風》。前回準優勝の猛者だ。
キリトvs《死銃》+α
シノンvs闇風
レイvs《レギオン》
の構図になったBoBの終盤戦がまもなく始まる。
ピリッ、と空気が緊張したのを感じて目を開ける。
―――無数の軍勢が砂漠を静かにゆっくりと、しかし確実に進軍していた。
それを目にしてもレイは平常通りの様子に見えた。
(久々だな……)
否、態度こそ普通だが、纏っている空気が別物だった。
かの《ジオクロウラー》を単騎で葬った時と同じ、あるいはそれよりも濃密な闘気を放っている。
水城家の本家である山東家で《深層感情の開放》と呼ばれるソレの使い手はこの世に2人しかいない。
力は意思によって引き出される。しかし、その力をより高めるものは《感情》。
その感情が、人間の《本能》に近ければ近いものほど力は強くなる。
人の最も強い、2つの《深層感情》のうち1つを意図的に高められた彼はそれにより《超人》になりえるはずだった。
――――しかし、成功例は彼女のみだった。
とはいえ、成り損ない《欠陥品》であっても、それは十分に
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