ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
月下の開戦
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銃で人を殺している訳じゃない」「「え?」」
「トリックは至って簡単だ。仮想世界での銃撃と同時に《外》での協力者がプレイヤーのリアルの体を何らかの方法で殺す。そうすればあたかもゲーム内での銃撃で死亡という現象が擬装できるという訳だ」
「リアルの体……。いや、でもどうやって住所を割り出すんだ?お前じゃあるまいし」
「人聞きの悪い事言うなぁ。ま、確かに住基ネットをハックという線も無い訳じゃないが、あそこのセキュリティーは堅牢だ。並みのハッカーじゃ歯が立たない。でも、GGOにおいてはもっと簡単にプレイヤーの住所を割れるだろ?」
レイはちら、とシノンに目を向けた。シノンは一瞬考え込んですぐに思い立ったように頷いた。
「BoBの参加申し込みに任意だけどあるわね。入賞特典にモデルガンを選ぶ人は入力するわ。でも、当然システムで守られてるわよ?」
「そう、それだ。ターゲットがそれを入力している間に、あの透明マント、それから双眼鏡か何かで後ろから覗けば……」
「……確かに、それなら出来そうだな。……待てよ?」
俺はあることに気がついてシノンに向き直る。
「シノン、落ち着いて聞いてくれ。……スタジアムで死銃は君を撃とうとした。砂漠での逃走中もだ。レイの推理が正しかった場合……死銃の協力者は既に君の傍にいる可能性がある」
シノンが目を見開き、顔が青ざめていく。
「嫌……いやよ……そんなの……」
「大丈夫だ」
レイがすかさずシノンの肩に手を置き、震えを止める。
「シノン、君は死なない。死銃とその片割れは撃たれた相手しか殺さない。この世界で撃たれなければ、君に危険はない。やつらの目的は『ゲーム内からの銃撃で人を殺す』という演出を作り出すこと。撃たれてもいない君が消えたらその伝説は信憑性を失ってしまう。だから、大丈夫だ」
落ち着かせるようにシノンの華奢な体を少し抱き寄せる。これでキリトの事を言えなくなったな、と別の事を考えながら背を擦り、震えが止まった所で今度はキリトに押し付けた。
「!?」
何すんだ!?とでも言いたげな表情をするキリトだったが、シノンもシノンで抵抗無くキリトの胸にしがみついていた。
それに諦めたのか、キリトは不承不承といった様子でシノンの髪を撫で始めた。
「さて、作戦を説明するぞ」
某細剣使いさんと愉快な仲間達がこの光景を見ればどうなるかは考えるまでも無かったが、面白そうなので放置を決め込む。
「まず、俺とキリトが次のスキャンでわざと姿を晒す。死銃は俺達が組んでいる事を知っているから間違いなくここに寄ってくるだろう。だが、それは他のプレイヤーも同じ。時間から見て残っているのはやつらを抜いてもそんなに多くは無いはずだ。これはシノン、君が倒すんだ」
「……わか
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